「コミュニティキッチン河越」をオープンしたきっかけを教えてください！

本当にいくつもの不思議なご縁が重なって2024年12月にオープンしました。
4年ほど前、子育てや家族の介護を機に夫の地元へ引っ越してきた私に、地域の方が一つのバトンを託してくれたんです。それが、自治会の「にこにこ食堂」からイタリアンレストラン「そのままキッチン」さんへと受け継がれてきた、シェアキッチンの歴史です。ちょうど「そのままキッチン」さんが移転されるタイミングで、「またここを盛り上げてくれる人はいないかな」と声をかけていただいたんです。

私は管理栄養士として、病院や介護施設長く「食」に携わってきました。「いつか食を通じて地域とつながる仕事をしたい」という想いもあり、この場所の歴史を途絶えさせず、新しい形の「食の拠点」として再生させることを決意しました。

この場所のすぐ近くに、平安時代から続く「河越館（かわごえやかた）」跡があります。かつてはこの辺りが街の中心地として栄えていたという歴史への敬意を込めて、あえて「河越」という漢字を選びました。また、少し前に大河ドラマでこの地ゆかりの歴史が注目されていたこともあり、「河越」という名前になじみを感じていただけるのではないか、という思いもありました。

「コミュニティキッチン河越」の施設概要を教えてください！

1階は「飲食店営業許可」を取得できるシェアキッチンです。
調理器具や食器などは一通り揃っていますので、これからお店を始めたいと考えている方は、食材を持ち込んでいただければ、自分のお店をオープンすることができます。

2階は「菓子製造業許可」を取得できる菓子製造専用のシェアキッチンになっています。自分で作ったお菓子を販売したい方のための場所で、ここで製造したものをマルシェに出店したり、オンラインショップで販売したりすることが可能です。
1階も2階も事前登録制で、時間帯枠貸し、1日貸しのいずれかでご利用いただけます。

その他、2階にはレンタルスペースも併設しています。 打ち合わせはもちろん、ワークショップなどのイベントにもご活用いただけます。先日はアイシングクッキーの製造をされている方が、お子様向けに「クッキーにお絵描きをするアイシングクッキー教室」を開催してくださいました。作って売るだけでなく、食を通じた多様な活動ができます。

「コミュニティキッチン河越」の特徴や強みを教えてください！

出店者としてご利用いただく方にとってはすぐにお店が始められて、自分のやりたいことをまずは試して、挑戦いただける場所です！

地域の方々にとっては、定食屋さんであったり、カレー屋さんやお惣菜屋さんだったり、カフェの日があったり、曜日や時間帯によって、日替わりでいろんなお食事を楽しんでいただけます！

「コミュニティキッチン河越」をどのような方に利用してもらいたいですか？

やはり「自分のお店を持ちたい」という夢に向かって、一歩踏み出そうとしているスタートアップの方に活用していただきたいですね！実際に、いま利用登録いただいている方もそのような志を持った方が多いです。

飲食店で従業員として勤務するのと、自ら経営者となってお店を切り盛りするのとでは、見える景色が違う部分があります。 メニュー開発から仕入れ、価格設定、集客、そして実際のお客様とのやり取りまで、経営者の視点で、自分の責任で実践してみるというチャレンジは将来自分のお店を持つ上で、貴重な経験になるはずです。

この1年間、私自身も週2回ほど1階のシェアキッチンで飲食店を営業してきました。これまで病院や介護施設での管理栄養士としての経験はありましたが、 飲食店の経験はゼロでした。最初はもう緊張とプレッシャーでいっぱいでしたが、自分で実際にお店をやったからこそわかる難しさや面白さをたくさん感じました。

「コミュニティキッチン河越」で大切にされていることは何ですか？

一番は「地域の方々との繋がり」です！この場所を通じて、今まで接点がなかった方々と出会い、新しい繋がりが生まれる。そのプロセスそのものをとても大切にしています。

「コミュニティキッチン河越」を運営していて嬉しかった瞬間は？

食べに来てくれたお客様から笑顔で「美味しかった！」というお声をいただいた時はとても嬉しいですね！ いまでは毎週のように通ってくださる常連さんもいらっしゃいます。通ってくださる方々と顔を合わせて言葉を交わす。そんな繋がりを実感できることが、運営の大きな支えになっています。

このシェアキッチンを出店者側として利用される方は、いつか自分のお店を持ちたい、自分の味を届けたいという「夢」を持っていらっしゃいます。そんな皆さんとお話ししていると、これからの展望や熱い想いをお聞きすることがよくあります。この場所が、誰かの夢の第一歩になっているんだと感じられる瞬間は、何物にも代えがたい喜びです！

「コミュニティキッチン河越」を運営していて苦労したことは何ですか？

やはり開業当初が一番苦労しました。まだどなたも店舗利用者がいない状態でしたので、まずはシェアキッチンがどういうものか、出店希望者への認知を広げていけるように自分自身でお店を出しました。本当にここでお店を出したい方が現れるのか、問い合わせがくるのか不安ばかりでした。
はじめはSNSの使い方もよくわからず、「まずはやってみる」という一心で、試行錯誤しながらInstagramで情報発信することから始めました。
当時はInstagramしか窓口を設けてなかったのですが、情報を見て「ここでやってみたい！」と問い合わせをくださる方たちが現れたんです。あの時は本当に心からホッとしました。

また、地域にシェアキッチンがオープンしたことを浸透させるまでは大変さもありました。出店者が全部の曜日で埋まっているわけではなかったので、食べに来たい方にとっては「いつ開いているのか分からない」状態でした。店頭にカレンダーを掲示して何曜日はどんなお店かお知らせするなど工夫しました。

その中でも有難い発見もあって、地域の方に「新しいシェアキッチンです！」とお伝えすると、「あぁ！日替わりコックさんのお店ね！」と、すぐにピンと来てくださる方が多かったんです。かつてここが自治会が運営するシェアキッチンだったことを覚えている方もいて、仕組み自体はスッと理解していただけたように感じます。ひとつの文化としてこの地域に根付いていたからこそ、新しい一歩を後押ししてもらえたのかもしれません。

今後の目標を教えてください！

食には単に栄養・健康面だけではなく、楽しみやコミュニケーションのツール、食文化の伝統を伝えていくなど様々な役割があると思っています。コミュニティキッチン河越の運営を通じて、食の楽しみを地域の方々に提供できる場所にしていきたいと考えています！そして誰かの夢が形になる場所と言いますか、挑戦する皆さんの背中をそっと押せるような、そんな温かい場所でもあり続けたいなと思っています。

個人としては、管理栄養士として専門的な知識や経験を活かせるように、健康や栄養面についての情報発信をしていきたいですね！

川越の魅力や好きなところを教えてください！

中心部は観光客も多くとても賑わいもありますし、このあたりの霞ヶ関や的場エリアなど、郊外は住民目線でとても住みやすい環境が整っていると思います。観光地としての賑やかさと住民生活の利便性が同居している、そんな魅力ある街ですね！

住所	〒350-1109 埼玉県川越市霞ヶ関北4-22-22
電話番号	080-7462-1223
営業時間	出店者 利用可能時間 6:00～23:00 ※事前利用登録制 各出店店舗の営業時間は公式HPやInstagramで情報発信
アクセス	東武東上線「霞ヶ関駅」より徒歩12分（角栄商店街の一角）
公式HP	https://ckkawagoe.studio.site/ourspace