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【新座】「新座クラフト」は新座発のクラフトビール醸造所。BtoB企業システムアドバンスから生まれた『街に寄り添う一杯』の挑戦とは

新座クラフト
新座発「街に寄り添う」ビールを提供!

 

埼玉県新座市。プリント基板の配線設計やフォトマスク製造といった、精密なものづくりを手がけてきた株式会社システムアドバンスが提供する醸造所「新座クラフト」。
長年新座に本社を構えながらも、「何をしている会社か分かりづらい」。そんなもどかしさと、「社員の第二の職場づくり」「ものづくり企業としての新たな挑戦」という3つのテーマから生まれたのが、クラフトビール事業でした。
老舗の精密メーカーから、街の人に親しまれるクラフトビールへ。ゼロからビールづくりを立ち上げ、新座の名をラベルに掲げて挑み続ける「新座クラフト」の歩みと、そこに込めた思いに迫ります。

今回は中嶌さんにお話を聞いていきます!本日はよろしくお願い致します!
新座クラフト

システムアドバンスと新座市とのつながり、「新座クラフト」立ち上げの背景を教えてください。

中嶌さん:
当社は1970年代後半に新座市で創業し、プリント基板の配線設計やフォトマスク製造といった精密なものづくりを続けてきました。ただ事業の特性上、どんなことをしているのか一般の方にはまず知られていないんですよね。自分の子どもに「どんな仕事してるの?」と聞かれても、説明が難しいくらいで(笑)。

そんな中で、私が川越工場の製造部門長から本社勤務になり、新規事業を任されたときに会社から出されたお題が3つあります。「本社を置く新座市に見える形で貢献すること」「フォトマスク事業で働いてきた人たちの第二の職場をつくること」「ものづくり企業として新しい領域に挑戦すること」です。

新座クラフト
酒好きな自分の頭に浮かんだのがクラフトビールでした。調べていく中で、「ビールなら設備面でも現実的だし、ものづくりの延長線上としても面白いんじゃないか」と手応えを感じ、「新座」の名前を前面に出せる商品でもある。会社にプレゼンすると「面白いじゃないか」と背中を押してもらい、「新座クラフト」がスタートしました。

「新座クラフト」の特徴やこだわりはどのような点ですか?

中嶌さん:
一番大切にしているのは「清掃」です。ビールは酵母を使うので、雑菌やゴミが入ると酵母にストレスがかかり、狙った香りや味から外れてしまいます。感覚的には、仕込みの8割は清掃と言ってもいいくらいですね。

もう一つが温度管理です。麦汁を仕込む工程で温度が高すぎると香りが飛び、低すぎると糖化が進まない。私がいまつくっているビールだと、65〜70度の温度帯がベストです。精密機器の世界で培ってきた「数値への感覚」が、ビールづくりにも生きています。

新座クラフト
味づくりでは「新座市のクラフトビール文化の入口になる」ことを重視しています。新座周辺はクラフトビールを飲める店が多い地域ではありません。まずはクラフトビールを知ってもらうことが大事だと考え、初心者でも飲みやすいスタイルを軸にしています。

定番はIPA、ペールエール、ラガー(ヘレス)、白ビール(ヴァイツェン)の4種類。ライトユーザーにとっての「最初の一杯」になれることを意識しています。さらに、市内の大学や福祉施設と連携し、イチゴやサツマイモを使った限定ビールなど、「新座らしさ」のあるコラボ商品にも取り組んでいます。そうやって、「新座ならでは」の一杯を増やしていくことが、こだわりですね。

日々お客様や街と向き合うなかで、大切にしていることは何でしょうか。

中嶌さん:
ビールが「街の文化として受け入れられているか」という視点を大事にしています。新座に暮らす人たちが気軽に飲めて、「地元のビール」として誇りに思ってもらえる存在でありたい。そのために、飲みやすさと個性のバランスを常に考えています。

新座クラフト
さらに、ビールそのものだけで完結させるのではなく、人や組織をつなぐハブにしたいという思いもあります。大学や福祉施設、企業、行政など、ビールをきっかけに生まれるコラボレーションが少しずつ増えてきました。自分の足で飲食店やイベントに出向き、現場の声を直接聞くことを大切にしています。

お仕事の中で「やっていてよかった」と感じるのは、どのような瞬間でしょうか。

中嶌さん:
一番うれしいのは、イベントで樽生を飲んでいただいた瞬間に「うわ、美味しい!」と言ってもらえたときですね。その表情を目の前で見られるのは、本業では得られなかった体験です。

飲食店さんに納品したビールをお客として飲みに行き、店主さんが「これは新座のクラフトビールなんですよ」と紹介してくださることもあります。そこでお客様が「いいね」と言ってくれると、「やっていてよかったな」と心から思います。

新座クラフト
また、ビールを始めてから、議員さんや市長さん、イベントで顔を合わせる常連さんなど、知り合いが一気に増えました。「今日も来たよ」と声をかけてくれる方もいて、人との距離がぐっと近づいた感覚があります。

立ち上げや運営のなかで、特に大変だったことと、その乗り越え方を教えてください。

中嶌さん:
一番大変だったのはゼロイチの部分です。税務署での相談に始まり、所沢ビールさんで委託醸造を行い、酒販免許や自己商標卸免許を取得し、販路を一から開拓しなければなりませんでした。

酒屋さんは新座・志木の店舗から紹介の輪を広げ、飲食店はInstagramのDMと飲み歩きで地道に開拓しました。フォローして、いいねを押して、タイミングを見てDMを送る。地道な活動を通じてご縁が少しずつ増えていきました。

新座クラフト
製造面でも設備の輸入や配管の調整など分からないことだらけでしたが、埼玉県内のブルワー仲間が心強い存在でした。ビアフェスなどを通じて顔見知りになった方々に電話やLINEで細かい質問をすると、「みんなで埼玉のクラフトビールを盛り上げよう」という空気のなかで、親身になって教えてくれました。

今後、「新座クラフト」として挑戦していきたいことを教えてください。

中嶌さん:
これまでは新座周辺のイベントを中心に出てきましたが、今後はより大宮や都内など、外のイベントにも積極的に出ていきたいと考えています。「新座ってどこ?」というところから、街の存在を知ってもらうきっかけになれたら嬉しいです。

イベント出店を通じて県外の飲食店とのつながりも増やしつつ、これからも新座の名前をラベルに掲げて、街と一緒に育っていくビールをつくっていきたいと思います。

新座クラフト
そして、個人的な夢としては、いつか川越のような街でもっと一緒に何かできたらいいな、という思いもあります。以前、川越の企業人発掘プロジェクトで登壇したときに、何度か工場見学でお会いしていた社長さんが「前はまだビール作ってなかったよね」と覚えていてくださって。そういう繋がりが広がっていくのも、クラフトビールの面白さだと思っています。

最後に、新座市・埼玉県の魅力、好きなところを教えてください。

中嶌さん:
もともとの地元は静岡ですが、ビールづくりを通じて感じるのは、埼玉の人は本当に優しいということです。「応援してるからね」と声をかけてくださる方が多く、その一言に何度も助けられてきました。
新座は決して派手な街ではありませんが、「新座クラフト」をきっかけに人の温かさに触れる機会が増えました。その優しさこそが、この街の一番の魅力だと感じています。

公式HP https://niiza-craft.jp/