露地野菜/葉物野菜を軸に、「空の下、土の上、あたりまえをつくる。」という言葉を掲げ、農業に向き合いながら、地域に開かれた農場づくりを目指しています。農業とは無縁の人生からスタートし、未経験で農業の世界に飛び込んだ相原さん。農業に惹かれた背景や、み空農場独自の考え方、これからの展望についてお話を伺いました。
「み空農場」を川越で始められたきっかけを教えてください。
もともと実家は自営業で、農業とはまったく関係のない環境で育ちました。高校や大学を卒業してから働いていましたが、このまま先の人生を考えたときに、自分の好きなこと、興味のあることを仕事にしたいと強く思うようになりました。

振り返ると、子どもの頃から自然が好きでした。空を見るのが好きで、山を眺めたり、夕日を見るのが好きだったり。中学生の頃には、夏になると自転車で水上公園の方まで行って、田園風景や夕日を眺めていました。その景色の中に身を置きたい、田園風景の一部でいたい、そんな感覚や気持ちがあったと思います。
農業に興味を持ち、未経験のまま長野県小諸市の農業法人に勤めました。未経験で大変なこともありましたが、苦ではなく、充実感がありました。農業という仕事は自分に合っていると感じました。

その後、子どもが生まれることをきっかけに川越へ戻り、地元の農業法人でも働いたのち独立を決断。農業に飛び込んだ時点からいつかは独立したいという思いはあったので、地元川越でみ空農場を立ち上げました。
「み空農場」の特徴やこだわりについて教えてください。
み空農場では、基本的に作物が育つために必要なのは、自然の力あってこそだと考えています。土があり、根を張り、太陽の光や気温、空気の影響を受けて育っていく。
農薬や肥料を使うことはありますが、自分は、ほんの少し手助けをしている感覚です。作物そのものが持つ力を邪魔しないようにするためです。だから、正直なところ「野菜を作っている」という言い方も、少しおこがましいと感じています。タネをまいたのは自分ですが、それはきっかけにすぎません。

自然の中に身を置くと、人間ができることは本当に限られていると感じます。空や山を見たときの圧倒される感覚に近いかもしれません。そうした自然への敬意を持っているので、み空農場では「御空の恵みに感謝」という言葉を大切にしています。
「み空農場」を続ける中で、嬉しかったことはどんなことですか。
野菜を食べて美味しいと言ってもらうことはもちろん嬉しいですが、畑一面に作物が育ち、田園風景としてきれいな景色が広がっているのを見たときが、一番嬉しい瞬間です。
普段、畑をじっくり見る機会は少ないと思いますが、実際に見ると、多くの人が「きれいだな」「美しいな」と感じると思います。その景色の一部をつくれていることが自分にとっての喜びです。
「み空農場」で苦労されている点はどのようなところでしょうか。
やはりお金の面は大きな課題です。み空農場と同時に、農業そのものについて、どう伝えていくかという部分にも難しさを感じています。
み空農場では、野菜がどんな場所で育ち、どんな空気や土の中でできているのかを知り、食べた結果、すべてを感じてほしい。その一連を伝えていきたいと思っています。

ただ野菜を作っているという感覚ではありません。畑に広がる風景や、野菜が当たり前にある暮らし、営みとしての農業、職業選択の一つとしての農業、それらが昔も今もこれからもあたりまえにある世界をつくっているのだと思っています。
空の下、土の上で、「あたりまえ」をつくる。それが、み空農場の農業です。
「み空農場」を今後どのような農場にしていきたいですか。
み空農場を、これから農業に関わる人たちの担い手育成の場として開いていきたいと考えています。農業は守っていかなければならない仕事であり、同時に、次の世代がより良い形に発展させていく必要もあります。そのために、「み空農場」を人を育てられる場所にします。
農業に興味のある人が、話をしに来てもいいし、畑を見るだけでもいい。工場見学のような感覚で、農場見学がもっと当たり前になってほしいと思っています。収穫体験だけでなく、ただ見るだけでも、違うと思います。暮らしの隣が産地なのに、農業が身近ではない現状があります。その距離を少しずつ縮めていける、「ひらかれた農場」を目指しています。
川越という地域の魅力について教えてください。
川越は、住みやすく、中心部には駅や観光地がありながら、その周りには農地が広がっています。下赤坂周辺では、落ち葉堆肥を使った農法など、歴史のある農業を続けている方もいて、蔵造りだけではない川越の歴史を感じます。
都会に出やすく、生活もしやすい。一方で、ほどよく田舎で、自然がすぐそばにある。そのバランスも、川越の魅力だと思います。
| 住所 | 埼玉県川越市豊田本5丁目 |
|---|---|
| 電話番号 | – |
| 営業時間 | 通年営業 ※不定休 |
| アクセス |
西武新宿線 南大塚駅から徒歩約19分 |
| 公式インスタグラム | https://www.instagram.com/misora.nojo/ |






