川越・蔵の街の紋蔵庵2階にある「サツマイモまんが資料館」はまんがやイラスト形式でサツマイモの歴史を伝える資料館。資料館には歴史が分かる資料だけでなく、本物のサツマイモやサツマイモを使用した製品なども展示されています。館長の山田さんはサツマイモはもちろん、川越の歴史にも精通しており、観光地として栄えている川越だからこそ歴史を後世に継承しなければならない、そう語っておりました。
「サツマイモまんが資料館」を作られたきっかけを教えてください。
山田さん:
川越市制施行60周年の節目で、地域を再発見しようという動きがありました。私は当時、市役所の職員として、「川越の再発見講座」などを企画していたんです。
驚かれるかもしれませんが、40年以上前、川越におけるサツマイモのイメージはあまり良くなかったんですよね。蔵造りの街並みも、今のような華やかな観光地とは正反対の、寂しい通りだったんですよ。
でも調べてみると、川越の歴史においてサツマイモは非常に重要な役割を果たしていたことがわかりました。
そこで1984年に「川越いも友の会」を立ち上げ、サツマイモのイメージを回復させるための活動を始めました。そして、「いも膳」さんが芋懐石の料理を提供し始め、少しずつサツマイモが注目されはじめました。これまでも、長年サツマイモの魅力を発信する取り組みは数多く続けてきましたが、今のこの場所は、2019年に、ボランティアで私とベーリ・ドゥエル先生とでスタートさせたものなんです。
「サツマイモまんが資料館」のサービスを教えてください。
山田さん:
基本的には、見学は完全予約制(2週間前目安)で、資料展示の解説サービスを行っています。サツマイモについて深く知りたいという方のために、いろいろ情報提供をしております。大きく分けて3つの内容があります。
1つ目がまんが資料の見学です。
「資料館」と聞くと堅苦しいイメージがありますが、「まんが資料館」なので、お子さんや中学生がパッと見て理解できるように、視覚的な資料を豊富に揃えています。本物のサツマイモも展示しています。
2つ目が 20分間ほどの解説です。
なぜ川越がサツマイモで有名になったのか、その歴史的背景を初心者の方にも分かりやすくお話ししています。
3つ目が専門的な「川越いも学校」です。
さらに深く学びたい方、例えば大学の卒業論文でサツマイモをテーマにしたい学生さんなどには、テーマに合わせた資料を用意して「川越いも学校」として指導サービスも行っています。
「サツマイモまんが資料館」の運営にあたって、山田さんが大切にされていることは何ですか?
山田さん:
川越の歴史を発信するということです。
サツマイモの歴史はもちろんですが、それ以外にも川越の食文化や狭山茶の原点でもある河越茶に関する話や、蔵がなぜできたのかという話もしております。
やっぱりこれだけ歴史のある街なので、そういったものを後世に受け継いでいきたいという想いがあります。
「サツマイモまんが資料館」の運営の中で、嬉しかったエピソードがあれば教えてください。
山田さん:
若い世代の反応はとても嬉しいですね。中学生が校外学習で来て、私の話を一言も漏らさずにノートに取っていく。その後、丁寧なお礼の手紙が届いたりすると、「やっていてよかった」と心から思います。
以前、サツマイモをテーマに卒業論文を書きたいという学生が来ました。
一緒に資料をいろいろと説明し、歴史を紐解いていく。その学生が立派な論文を書き上げたときは、自分のことのように嬉しかったですね。
山田さんが「サツマイモまんが資料館」を運営する中で課題に感じていることはありますか?
山田さん:
一番の課題は伝承者の不足です。私ももう70代半ばで川越の歴史を語れる人間が、圧倒的に足りていないんです。
今の川越は、常に観光客で溢れている状態です。だからこそ、川越の歴史というものを発信し続ける必要があると思っています。
こうして一人でも多くの人に直接話をすること。そして、歴史文化を単なる「勉強」ではなく、「ビジネスやまちづくりに活かせる武器」として伝えていくことが重要です。若い人が歴史文化を語ることが一つのお仕事となるような、そんな仕組みが必要だと考えています。
山田さんが今後、「サツマイモまんが資料館」として挑戦したいことはありますか?
山田さん:
川越いもの象徴で、120年以上の歴史のある紅赤を守り続けたいと思っています。サツマイモにも、色々な味の特徴があるのですが、この紅赤は甘みが程よく天ぷらなどで美味しく食べられるのが特徴です。
紅赤なくして、川越いもの歴史は語れないと思っているので、この紅赤をもっといろんな人に知ってもらえたらなと思っています。
最後に、山田さんが思う川越の魅力を教えてください。
山田さん:
とにかく歴史や文化が豊かなところですね。特に食文化がとても豊かだなと思っています。サツマイモやお茶はもちろんそうですし、近隣にある大玉やさんのせんべいや、うどん、駄菓子、醤油、ウナギなどの文化もあるし、これだけいろんな食べ物の文化があるのは面白いと感じています。
他にも、伝説や昔話もこの街にはたくさんあって、だからこそそうした歴史や文化を語り継いでいかなければと思っています。
| 住所 | 埼玉県川越市元町1丁目15-5紋蔵庵蔵の街店2階 |
|---|---|
| 電話番号 | – |
| 営業時間 | 完全予約制(2週間前までに要連絡) |
| アクセス |
本川越駅から徒歩約15分 |
| 公式HP | https://sweetpotato.info/ |






