お客様の要望に合わせて、スパイスの無限大な使い方をアドバイス。スパイスワークショップも開催し、地元産の食材を使って、川越の文化に触れてもらう機会も創出。創業70年、川越に根付く老舗スパイス加工会社、有限会社筋野の思いに迫る!
有限会社筋野さんが川越に立ち上げられた経緯を教えてください!
筋野:私の父親の実家が川越市で、私自身も川越生まれで川越育ちでここで仕事をしているという感じです。
川越は元々からし(カラシ)が盛んだったと言われています。
入間川から荒川にかけて、からしの栽培をしているところがいくつかあったんですね。
私たちの工場もその近くにあります。
また、川越の街の中にはからしをつけていただく文化があって、特に地元のお豆腐屋さんで必ずからしをつける習慣があります。
実家の大元は農家で、その三男であった父の代から会社をやっており、今年で創業70年を迎えます。
有限会社筋野さんのこだわりや特徴を教えてください!
筋野:弊社の主体業務は、からしのマスタードの粒から油を絞ってそれを粉体にすることです。
いわゆる粉のからしの原料を作っています。
また、附帯して、業務用の粉わさびを作るラインもあります。
実はわさびの辛味の成分とからしの辛味の成分は同じものなので、粉のわさびはからしの粉を入れて作っています。
その他にも胡椒の粉砕など、粉にする仕事も得意としています。
また、業務用のカレーのルーとシチューも作っています。
ネットショップの展開は楽天さんやヤフーさんで3年目くらい行っています。
コロナの影響で業務用の業界が厳しくなり、何か新しい試みをしたいと思った時に始めました。ネットショップでの販売もだんだん増えてきました。
スパイスの使い方は無限大ですから、お客様の要望に合わせていろいろなアドバイスをしています。唐辛子を使ったり、胡椒を利用したりと、奥深い組み合わせが楽しいですね。
有限会社筋野さんを運営していく中で、筋野さんが喜びを感じる瞬間を教えてください!
筋野:やはり自分が作った商品が使われることは嬉しいですね。
従業員の実家で自社の商品が使われたからしづけが出てきたことを知った時はとても嬉しかったです。
また現在は多くの方が自分でスパイスを配合されたりしていますが、そこに対してのアドバイスがバッチリハマった瞬間は、自分たちの知識を使ってお役に立てた、ということだと思うので嬉しいです。
ジンジャエールを作ってみたはいいもののパンチがない、という方に唐辛子を勧めて、最初は抵抗があったんですがいざ使ってみたらやっぱりハマったということもありました。
スパイスはやはり奥深いですね。
有限会社筋野さんを運営していく中で、筋野さんが苦労していると感じる瞬間を教えてください!
筋野:ちょうどウクライナで戦争が始まっているじゃないですか。実はウクライナはマスタードの輸出国で世界第3位くらいなんですよ。
戦争によって原材料の確保が難しい状況は、自分たちではどうしようもない部分ですよね。しょうがない部分ではあるんですが、そこは大変です。
あとはカラシの粉って肌について汗と混じると熱を発するので火傷してしまうんですよね。肌に触れないようにしつつの作業は非常に気温が高くなりますので、夏は大変ですね。
有限会社筋野さんは、今後どのようにしていきたいと考えていますでしょうか!
筋野:ISO22000を四年前に取得しました。
からしのマスタードには異物混入のリスクがあります。
現地で選別を行っても取りきれない部分があるため、クリーニングを特化した設備を導入し、食品安全に部分に大きく力を入れています。
またネットショップの拡大には新しい社員の力も借りています。
映像の編集などを得意とする社員が加わり、商品の魅力をより伝えやすい映像コンテンツを制作しています。
全国からのお客様により魅力的なスパイス商品を提供するために、ネットショップの力を最大限に活用したいと考えています。
またスパイスワークショップも開催しています。
はじまりは興味はあるけれどもどうやって作ればいいかわからない、という方のために開きました。最初は試食という形で提供していたのですが徐々にちゃんと食べたいという方も出てきてくださって、しっかりしたメニューを出させていただきました。
地元産の食材を使ったスパイスを楽しんでいただきながら、川越の文化に触れてもらいたいという思いから始めた取り組みです。
それも引き続き行っていきたいですね。
筋野さんが思う、川越の良さ、魅力を教えてください!
筋野:川越の魅力は、地元にとってはあたり前の暮らしの中にも魅力が詰まっているんですよね。観光客の多いバス通りでも、子供の頃から生活しているからか、特別な感じはしませんでした。でも年齢を重ねるにつれて、川越には一年を通してさまざまなイベントやお祭りがあり、住んでいる人たちにとって大切な街だと気づきました。
川越は暮らしと歴史的な街並みが融合しているとても素晴らしい街です。
一緒になって歩けば郊外の田んぼや開発された街並みも楽しめますが、川越の街並みが一番魅力的ですね。
街の中には小江戸のビールが楽しめるお店もあります。美味しいビールを飲みながら歩くのは最高の贅沢ですね。
住所 | 埼玉県川越市大字府川1327-3 |
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電話番号 | 0492245371 |
営業時間 | 08:00 ~ 17:00
休業:土日祝 |
アクセス |
川越市駅より車で約17分 |
公式SNSなど | Instagram:https://www.instagram.com/sujino_co/ |