創業支援や地域産品の発信拠点として、多くの人々が訪れる施設です。今回は、りそなコエドテラスの運営に携わる森さんに、立ち上げの経緯や施設の特徴、日々のやりがい、苦労、そして今後の展望についてお話を伺いしました。
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まず、りそなコエドテラスが誕生した背景について教えてください!
森:りそなコエドテラスは2020年6月まで、埼玉りそな銀行の川越支店として営業していた建物をリノベーションした施設です。
支店機能の移転後、この歴史的な建物をどのように活かしていくか、社内で議論を重ねました。この建物は埼玉県で初めての国の登録有形文化財で、地域にとっても非常に価値のある存在です。私たちは、この『資源(ハード)』を最大限活かしながら、地域とともに発展していく方法を模索しました。その結果、『共創拠点』として地域課題の解決に貢献する場にするという結論に至りました。
さまざまなステークホルダーと協力しながら、この場所を活用し、新しい価値を生み出していくことを目指しています。

具体的に、りそなコエドテラスの特徴についてお願いします!
森:この施設の大きな特徴は、銀行が自ら運営していることです。建物は埼玉りそな銀行が所有し、企画・運営は子会社の『地域デザインラボさいたま』が担っています。そのため、元銀行員の従業員も多く、金融の知識を活かしながら地域とのつながりを深めることができる点が強みです。
また、りそなコエドテラスでは『ワンスポットで多機能を提供する』ことを意識しています。例えば、コワーキングスペースでは事業者がアイデアを出し合い、チャレンジショップを使って試験的に商品を販売し、イベントスペースではポップアップ店舗を開くことができます。これらを一カ所で実現できる施設は珍しく、起業や事業展開を考える方々にとって魅力的な場になっています。」
森さんが、ここで仕事をしていて喜びを感じる瞬間を教えてください!
森:この施設を運営していて何より嬉しいのは、イベントなどを通じて人と人とのつながりが生まれることです。
例えば、ここで出会った事業者同士がコラボレーションを始めたり、新しい事業が生まれたりすることがよくあります。そういった報告を受けると、『りそなコエドテラスがきっかけになった』と実感できて、とてもやりがいを感じますね。
また、創業支援にも力を入れており、りそなコエドテラスの機能を活用して起業した方が実際にビジネスを軌道に乗せていく姿を見るのも、大きな喜びのひとつです。単なるレンタルスペースではなく、人と人、ビジネスとビジネスがつながる『共創の場』として機能していることを実感しています。

りそなコエドテラスを運営していく中で苦労していると感じることを教えてください!
森:イベントの集客や周知には苦労することが多いです。イベントの性質によってターゲットが異なるため、それぞれに適した情報発信をしなければなりません。
地域住民向けのイベントなのか、観光客向けなのか、それとも創業を考えている方を対象にしたものなのか、それによって伝え方が変わります。例えば、地域住民向けの場合はチラシや地元の情報サイトを活用するのが効果的ですが、創業者向けならSNSや専門メディアを活用する方が響きやすい。こうしたターゲットごとの工夫を常に考えながら、情報発信を行っています。
また、施設を運営する中で、どのように地域とより深くつながり、より多くの人に活用してもらうかを常に模索しています。利用者の声を聞きながら、日々改善を重ねているところです。

最後に、森さんが思う川越の魅力を教えてください!
森:川越は、小江戸と呼ばれる歴史が詰まっている街ですが、観光客の多くは表面的な部分だけを見て帰ってしまうことが多いです。でも、実はもっと奥深い歴史や建物の価値がある。例えば、町並みの細かい意匠や、そこに込められた職人の技術、地域ごとの歴史的背景など、知れば知るほど面白い要素が詰まっています。
この街には、そうした価値をもっと多くの人に知ってもらうポテンシャルがあると思います。りそなコエドテラスも、その役割を果たせる場所になれたらと考えています。ここを訪れた人が、川越の歴史の深さを感じ、もっと街を知りたいと思うきっかけになるような場所にしていきたいですね。
住所 | 埼玉県川越市幸町4-1 |
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アクセス |
東武東上線・JR川越線「川越駅」/西武新宿線「本川越駅」から東武バスで一番街バス停下車。徒歩すぐ |
公式HP | https://www.saitamaresona.co.jp/labtama/koedo-terrace/ |