創業129年の技術力を持つartienceグループ トーヨーケム株式会社 川越製造所は、川越の地で66年にわたり地域と共にものづくりを続けてきました。生活必需品を支える粘着剤、塗料、塗工材料、着色剤の製造を通じ、環境への配慮と地域との協調を大切にしながら、サステナブルな未来へ向けた取り組みを進めています。
貴社が、川越に立ち上げられた経緯について教えてください。
会社自体は、創業から129年経っており、川越製造所自体は66年の歴史となっております。川越とは66年間深い関わりを持っており、社員は誇りを持って働いていると思います。本日お越しいただいた建物は、技術管理棟となっていて、2022年に建てられましたので、このエリアで1番新しい建物なんですよ。名前の通り、技術部門と管理機能が集約されています。
建物自体の外観は、黒漆喰の蔵造りを模しています。地域の建築と文化の調和を図りたいという思いで設計に落とし込んでいます。
ロビーの壁面には、LEDの白いライン(上の写真 左上部の壁面)が入っていますが、川越で有名な綿の織物、川越唐桟を模しておりまして、建物自体にも誇りを持っていますし、我々自身も川越との共生を志しています。工場において、このような造りになっている建物は珍しいかなと思いますね。
元々この土地は、米軍の管理地でしたが、払い下げを機に産業用地として活用されることになり、弊社の工場が建設されました。
貴社の特徴や運営において大切にしていることを教えてください。
川越製造所では、粘着剤、塗料、塗工材料、着色剤を主に扱っており、それらは生活必需品に幅広く使用されています。粘着剤は製品ラベルなど、塗料は飲料缶、缶詰など、塗工材料はスマホなど、着色剤はペットボトルのキャップなどに使用されており、皆さんの生活に深く結びついています。
そういう毎日の暮らしに溶け込んだ製品を送り出していますので、先程の話にもつながりますが、地域社会との協調、これは特に大切にしています。加えて、環境への配慮も大切にしていることの一つです。近隣に河川があることから、危険物質の取り扱いには十分に注意し、排水処理を徹底しています。
最近では2003年から2年に1回、環境コミュニケーションという活動を行なっていて、地域住民の代表者様や行政関係者様へ工場での環境対応やリスクについてご報告を行い、
ご意見を直接いただいております。川越だけでなく、埼玉県内でこういった取り組みを積極的に行う企業として認知いただいているのかなと思います。
我々が特に重要視しているリスクの一つが漏洩事故です。万が一事故が起こっても、緊急時には水門が全て塞がり、微量の漏洩でもすぐに検知するセンサーなども取り付けております。また、安全の見える化として水門でメダカを飼っていますね。
従業員の数としては、関係会社を全て含めると700人程度いますね。
常時700名が稼働しているわけではなく、シフト制で24時間常時稼働できる状態を保っています。
働かれていて喜びに感じる部分について教えてください。
我々はメーカーで消費者の顔が見えるわけではなく、いわゆるBtoBビジネスですので、我々の製品が最終的な商品に使われているんだと実感できることは、働いている社員のやりがいや喜びにつながっているかなと思います。
川越市制100年の記念として自動販売機の外装フィルムに我々の製品が使われていましたね。
働かれていて苦労されているところがあれば教えてください。
今までいろいろなことがありましたが、一番大変だったことで言うとコロナ禍での対応だったかなと思います。
他の企業様でもご苦労があったかと思いますが、我々が扱っているものは生活必需品に関する製品だったこともあり、稼働を止められないという責務がありましたね。
社内でのクラスターを防ぎ、生産活動をいかに維持していくか、人員の確保のために社員一人一人の努力が欠かせない出来事だったかなと思います。
黙食の徹底や外食を控えるよう協力をお願いするなど、社員には様々な協力をお願いしましたが、そういった社員一人一人が地道な積み重ねを続けたことで、取引先のメーカー様からは、コロナ禍で滞りなく製品を供給してくれたことに感謝のお言葉をいただきました。
貴社が、今後伸ばしていきたい部分について教えてください。
一言で言うと、サステナビティへの取り組みですね。
先ほどの環境への配慮もその一つですが、我々はモノづくりだけでなく開発も行っています。新素材の開発に投資をしていて、良いものをより効率的にというテーマで生産年齢人口減少への対策の一環としても、この活動が持続可能な社会への貢献に繋がると確信しております。
これらが結果的に川越の産業発展へも寄与できると思っておりますので、川越と共に歩んで行くことを目指しています。
最後に、川越の魅力や地域に期待することがあれば教えてください。
小江戸と言われているこの川越のように、私たちも歴史を大切にしながらも、新しいものへの取り組みを続けていきたいです。世代をつないで成長を続ける川越とリンクしながら、成長し続ける会社・メーカーでありたいと思っています。
| 住所 | 埼玉県川越市中福286 |
|---|---|
| 電話番号 | 049-242-1331 |
| 公式ページ | ■公式HP:https://www.artiencegroup.com/ja/group/toyochem/ |






