「cafe+kitchen 北風と太陽」は隠れ家的な雰囲気で、落ち着く空間が魅力!川越の観光地へのアクセスも良い人気の飲食店!イタリアンをメインにしつつも、タコスやエンチラーダ、ブリトーなどのメキシコ料理・メキシカンの要素も取り入れる。
cafe + kitchen 北風と太陽が川越に立ち上げられた経緯について教えてください。
岩上:小さい頃から料理が身近にある環境で育ちました。私の祖母は病気を持っていたため、1ヶ月ごとに入退院を繰り返していましたが、退院して家に戻ってきてくるとグラタンなど作ってくれました。今考えるとハイカラな人でしたね。それは叔母にも引き継がれていて、私が小学2年生の時に叔母がグラタンを作る様子を見て、私も作りたいと思うようになりました。その時はグラタンをソースから作りましたね。
大きくなってからは、男兄弟で代わりばんこに食事を作っていましたし、父親が働きに出ていて家を空けることが多かったので、友達の溜まり場になる事も多く、家に来た友達に料理を振る舞っていました。私も含めた兄弟は、アルバイトも飲食店でやることが多く、常に料理がすぐそばにあることが多かったですね。
漠然といずれは自分のお店を持ちたいなと思っていたときに、当時東京の飲食店で働いていた後輩から「1つ店員の枠が空いたよ」という連絡を受けて、ひとまずそのお店に食事をしにいきました。そこで初めてナポリピッツァを食べたのですが、そのお店のナポリピッツァがべらぼうに美味しくて。
もし飲食店をやるなら中途半端ではなく、何か武器になるものが欲しいと考えていましたので、そのお店で修行をしたいと考えるようになりました。
その日のうちに父と祖父に「飲食の道に進みたいんだ」という想いを話して、背中を押してもらえたので、次の日からそのお店で働き始めました。
そのお店では2年ちょっと修行させてもらったのですが、そこは厳しいお店でしたね。やはり美味い店には理由があって、向上心のある集団でした。将来的には自分でお店をやりたいと思いながらもまだ自信はなく、1年くらいグジグジしていました(笑)。自分一人でやっていくほどの勇気はなく、もう少し修行しようにもいいお店の求人は、〇〇で副料理長やっていましたみたいな優秀な人物ですぐに埋まってしまって、面接なども落ちに落ちまくっていました。もう普通のサラリーマンをやった方がいいのかとも悩むようになり、自分を社会のどこに置いていいのか分からなくなってしまっていました。もう考えるのも疲れてしまって、まだ若く体力もあるし、自分でお店をやってみてダメだったら別な仕事をすればいいやと吹っ切れることができました。そこで初めて前を向くことができましたね。そこからはエネルギーがばんばんばんばん湧いてきました。
私はもともと人と関わることが好きで、何か嫌なことがあってお店に来ても、帰るときには元気になっているとか、何か嬉しいことがあったらお店に報告に来るだとか、何かそういう日常の中に入り込んだお店を作りたいと思っていて、陰と陽ではないですけれど、北風と太陽のように表裏一体、嬉しいこともあれば辛い事もある、なんとかギリギリ自分のお店をオープンする形に着地することができました(笑)。
2009年にcafe + kitchen北風と太陽をオープンして15年になります。
cafe + kitchen 北風と太陽のこだわりや特徴について教えてください。
岩上:私がもともとイタリアンで修行していた事やパスタが好きという事もあって、北風と太陽でもイタリアンがメインではあるんですけれど、タコスやエンチラーダ、ブリトーなどのメキシコ料理・メキシカンの要素も取り入れていています。私自身でも今後どうなっていくのかわかりません(笑)。できれば四季でメニューを変えていきたいなと考えています。
cafe + kitchen北風と太陽ではそこまでネットでの集客を行っていないので、クチコミなどで来てくださる方が多くいらっしゃいます。そういった方や常連さんなどはクセのある方が多く、そういった方からの「こういうの作れないか」という要望で料理を作る事もありますね。テレビ番組の「深夜食堂」のような感じです。
他にも、旅先で食べた美味しい料理をなんとか再現して、お店で出す事もありますし、お店として基本的なベースはあるものの、本当に自由にやらせてもらっています。
メニュー(一部抜粋)※時期によってメニューが変わる場合がございます。
太陽セット 1000円 |
ドリンク付き バターチキントマトカレー(ミニサラダ付き) or 北風と太陽特製タコライス |
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北風セット 1000円 |
サラダ・ドリンク付き トンノトマトクリーム or 生ハムとナスの冷製トマトソースパスタ |
cafe + kitchen 北風と太陽岩上さんが働いていて喜びを感じる瞬間について教えてください。
岩上:お客さんに美味しいと言っていただける事ももちろん嬉しいのですが、お店の扉を開けて、cafe + kitchen 北風と太陽に来てくれただけで嬉しいですよね。川越にも様々な飲食店がある中で、cafe + kitchen 北風と太陽が頭に浮かんで、実際に足を運んでくれる。このことが本当に嬉しいですね。もちろん一見で来てくれる事も嬉しいですが、2回目も来てくれることが嬉しいです。そういったところから生まれる繋がりもいいですよね。
あとは、色々な人と出会えることも働いていて喜びを感じる瞬間です。cafe + kitchen 北風と太陽に来てくださる方は、本当に色々な職業、色々な家庭の方たちばかりです。奥さんとお店に立っているのですが、お客さんの話を聞いて、こんな家庭もあるんだねという話になる事もあります。そういったことも面白いですよね。
cafe + kitchen 北風と太陽岩上さんが働いていて大変だなと感じる場面について教えてください。
岩上:やはり接客業という大変さはありますね。それに加えて、他の業種の方から見ると飲食店は華やかに見えるようで、いいなあなどと言っていただける事もあるのですが、飲食店も仕事のほとんどは仕込みなどの地味な部分です。新たな食材探しにも時間がかかりますし、何かイベントがあるとなれば準備で徹夜をすることもあります。ただ、そういった事も初めから覚悟しているので、大変とまではいかないですね。
仕事が終わった後に、お付き合いなどで飲みにいくことが続けば寝不足で大変になります(笑)。自分が好きで行っているのですが(笑)。お付き合いもしすぎると大変という事です。
きちんとやろうとすればその分時間もかかりますから、さらに寝不足にはなってしまいますよね。
言葉は変かもしれませんが、大変だけど大変じゃないと言いますか、自分の納得できるものを作りたいがために拘束時間が長くなってしまうというジレンマはありますね。今回のコロナ禍で、そこまで長い時間働かなくてもいいのかなと思うようになりました。コロナ前は、終わりの時間はあってないようなもので、引っ張れば深夜の2時3時まで営業をするということもありました。自分で大変にしていた訳ですね(笑)。
cafe + kitchen 北風と太陽が今後伸ばしていきたい、進化させたい部分について教えてください。
岩上:できればタコスセットや瓶詰めのネット販売などをやっていきたいですね。それには、店内に閉鎖された空間を作らなければならないなどのハードルもあるのですが、実現させたいと思っています。
また、川越でなくなってしまった、なくなってしまいそうな懐かしい味を再現、保存するような取り組みもやってみたいなと考えています。ターゲットは今の私と同じくらいの年齢から、60代くらいまででしょうか。その上で、大人の秘密基地のような場所を作って、例えばスマートボールですとかを設置しても面白いですよね。景品なんかは知り合いのお店にお願いをして、そちらのお店にも人が流れるような仕組みを作りたいです。そこでもまた新しい繋がりができますよね。少しずつですが、構想を練って、知り合いと話をしています。あとは実際に私の重い腰がいつ動くかというところですかね(笑)。
cafe + kitchen 北風と太陽岩上さんが思う川越の魅力、好きなところについて教えてください。
岩上:川越の魅力ですか。なんなんでしょうね。
なんでか分からないけど、川越が好きという想いはあります。よく川越は芋の街などと言われる事もありますが、そこまで焼き芋屋さんなどが多い訳ではありません。そうではなく、川越で誰かと繋がれば“芋づる式”に色々な人と繋がりを持つことができるという、そちらの意味でも芋の街という意味があるのではないかなと思っています。他の街から来た人に川越は閉鎖的な街に見えるかもしれませんが、誰かを捕まえてしまえば一気に色々な人と繋がることができます。そういったところはいわゆる下町的な良さがあるのかなと思っています。
さらに川越には何もないように思えて、山や海や都会にも出ることができる。なんでもできるという一面もあるのかなと思っています。何もないからこそ行動できるという側面もありますよね。
住所 | 〒350-0056 埼玉県川越市松江町1丁目23−3 |
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電話番号 | 049-298-5610 |
営業時間 | ランチ11:30~14:30(LO14:00) ディナー18:00~23:00(LO22:00) 定休日:月火(ディナーのみ) |
アクセス |
本川越駅東口から徒歩約8分 |
公式SNS | https://www.instagram.com/kitakazetotaiyou33/ |