上海から留学で来日し、東京国際大学で学んだ孫大平さん。学生時代に川越と出会い、川越の地で「有限会社国際ビジネスプランニング」を立ち上げました。通訳・翻訳から始まり、企業の中国展開を支援する「異文化の橋渡し役」へ。長年の経験でたどり着いたのは、「人はそれぞれ違うモノサシで世界を測っている」という視点でした。
「国際ビジネスプランニング」を川越市で立ち上げられたきっかけを教えてください!
孫さん: 私は上海出身で、1986年に留学で日本に来ました。入った大学が東京国際大学で、川越に来たんです。最初は学生としてアパートを借りたりしていましたが、結果的に拠点を構えるようになりました。
会社を立ち上げたきっかけは、正直「悲しい話」なんです。
大学卒業後に就職したのですが、その会社がリーマンショックで倒産してしまって。家族も連れてきていたので、簡単に帰るわけにもいかない。ちょうど日本の経済も良くない時期で、就職も難しい。だから「選択肢が限られる中で、自分で道を作るしかない」と思い会社を立ち上げました。最初は貿易も考えましたが、経験不足もあり思うように進まず…。
でもありがたいことに、取引先の方々から「商売としてすぐに形にならなくても、人として信頼している」と言ってくださって、翻訳や通訳などの相談が増えていったんです。それが主要業務になって、会社名も変更して今の形になりました。
「国際ビジネスプランニング」の特徴やこだわりはどのような点ですか?
孫さん: 「コンサル」と言っても範囲は広いですが、当初は通訳・翻訳、言葉の教育が中心でした。そこから、取引先企業が中国へ事業展開する際に、「中国はビジネス市場としてどんな国か」「進出時に気をつけることは何か」「赴任者に文化的な違いを教えてほしい」といった依頼が増えていって。だんだんと文化の違いをつなぐ役割になっていったんです。
見た目は似ていても、日本と中国では、背景となる前提や習慣が異なる場面が少なくありません。そこで大事なのは、「相手が悪い」と決めつける前に、互いの違いを理解することだと思っています。
「国際ビジネスプランニング」としてお客様と向き合う中で、日々大切にしていることを教えてください。
孫さん: 私が常々思っているのは「人はそれぞれ世の中を測るモノサシを持っている」ということです。そのモノサシは育った環境や状況によって違う。統一されていないモノサシで相手を測れば、ズレが起きるのは当然なんです。
例えば、ラーメンを「すする」文化。日本では普通でも、欧米では音を立てないのが一般的と言われたりしますよね。トイレットペーパーを流さずに置いていってしまうことも同じで、地域や施設によっては、設備上流せない場所もある。本人は気を使っているつもりでも、日本側から見ると困ってしまう。悪意ではないんです。
だから私は、仕事でも日常でも「違いがある前提」で、誤解が起きないように言葉や背景を丁寧に扱うことを大切にしています。
お仕事の中で、「やっていてよかった」と感じるのはどのような瞬間でしょうか?
孫さん: 2つあります。1つは「仕事を頼むよ」と言われる瞬間。求められていること自体がうれしいです。もう1つは、依頼が終わった後に「よかったよ」と認めてもらえるとき。達成感があります。
以前、大きな会社の商談通訳で「孫さん自身に来てほしい」と指名されたことがありました。会社の重要な意思決定に関わる商談という、言葉の精度が強く求められる場面だったのですが、そのような重要な場面に任せていただいたことは、やっぱり「人として認めてもらった」と感じて、すごくうれしかったですね。
運営にあたって、どのような苦労がございますか?それをどのようにして乗り越えてきたかについてもお聞かせください。
孫さん: 私たちの仕事は状況が刻一刻と変わっていく。その変化に対応するのが大変です。
それと、自分の中でも文化の違いで葛藤する瞬間がある。日本に来て40年で、日本の文化は分かるつもりでも、仕事の場面では「なんでこうなるんだろう」となることもあります。そのギャップの「落とし所」を見つけるのが難しい時もあります。
通訳や翻訳は、単にAの言葉をBに置き換えるだけではありません。発言者の意図やニュアンスを、相手の文化の中で伝わる形にしなければいけない。だから私は「これはこの意味で良いですか?」と確認しながら、ギャップを埋めていくようにしています。
今後「国際ビジネスプランニング」として挑戦していきたいことを教えてください!
孫さん: 実務としてのコンサルというものは、職人的な仕事だと思っています。後進を育てるのも簡単ではない。年齢的にも新しいものを吸収するのは難しくなってくるので、実務としてのコンサルは少しボリュームを減らしていきたい気持ちがあります。
ただ、異文化のぶつかり合いは今も毎日のように起きています。だからこそ、「みんな違うモノサシで相手を測っている」ということを、もっと理解してもらえるような働きかけをしていきたい。相手が良い・悪いではなく、理解することで摩擦は減らせると思うんです。
例えば観光案内でも、ホテルの方に「習慣が違うので、違ったものの使い方をしてしまう場合があるが、悪意ではないので遠慮なくお知らせください。」と事前に伝えておくと、お互いに言いやすくなる。そういう前もっての理解が、過ごしやすさにつながると思っています。
最後に、川越市の魅力、好きなところがあれば教えてください。
孫さん: 東京から遠くなくて交通も便利。歴史がある街です。そして、付き合っていて地元の方が多く、人情がある。都会な割に人情味がある街だと感じています。そこが好きですね。
| 住所 | 埼玉県川越市脇田本町24-21アーバンビル602 |
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| 電話番号 | 049-246-3225 |
| 公式HP | https://e-ibp.co.jp/ |






