株式会社ブルーオーシャン研究所は、SDGs13(気候変動に対する具体的な対策を)・14(海の豊かさを守ろう)・15(陸の豊かさも守ろう)の実現を支援するために、“見える化”の基盤となる観測プラットフォーム“みちびきブイ”を開発しています!
ブルーオーシャン研究所さんが川越に立ち上げられた経緯を教えてください!
伊藤:30年以上研究職をし、最初はもう引退しようかなと思っていました。
ただ、近年、人工知能やIoTの技術が発達してきて、今までは準備から何億円と必要だったことが、今では数百万円でできるようになり、自分たちでもできることが増えてきたので、まだ引退せずに新しいことに挑戦しようとこの会社を作りました。
川越に来て20年がたちますが、自分が育った名古屋の環境に似ているのが大きいかもしれません。
具体的にこの「みちびき海象ブイ」に取り組み始めたのは約4年前です。
会社を作ってしばらくして、内閣府の方からこの「みちびき海象ブイ」を海で使うことができないかという話がありました。
このみちびき海象ブイはcm単位で位置がわかるため、波の高さや流れを計測することができます。
汚染物質が海に投入されてから、どの程度の速さで拡散するのか調べる際には、拡散係数を求める必要があります。この拡散係数を求めるにはcm単位の精度が必要でした。
そこで「みちびき海象ブイ」を使うことで実用的なデータが取ることができました。
これを商品化したという流れです。
今は漁業者や洋上風力の会社に、データを販売しています。海のない川越から今の事業を通して、社会の様々な課題を解決できると感じています。
ブルーオーシャン研究所さんを運営していく中で、伊藤さんが喜びを感じる瞬間を教えてください!
伊藤: 小学校の2年から3年の時に水中眼鏡を買ってもらい、たった1mぐらいの深さでしたが、初めて伊勢湾の海を見て綺麗だと感じたことを鮮明に覚えています。
忘れられない感動をみんなに届けてあげたい、綺麗な海を様々な人に見せたい、ということを夢に、子供の頃から海洋学者になりたいと思っていました。
今やっていることはその夢の為ですね。
なんとか自分が生きている間に、このみちびき海象ブイを実用化して、たくさんの人に使ってもらいたいという使命感を原動力にしています。
現在は、二つの事業を進めたいと考えています。公害問題などで汚染された海を綺麗にするということ、海洋開発や海底資源の開発というこの二つです。今の事業は、最終的にはそこに繋がってくると考えています。だから、今は子供の頃からの夢をちょうど実現している半ばというところです。
ブルーオーシャン研究所さんを運営していく中で、伊藤さんが苦労していると感じる瞬間を教えてください!
伊藤:やっぱり好きなことをやるためには、嫌なこと、自分に不向きなこともやらなくてはいけないと覚悟しています。商売は自分の不得意な分野です。
私は基本的には科学者ということでやってきたので、経営やビジネスのことはよくわかりません。研究の世界では別問題です。私たちのやっていることは、自然科学の研究なので、物理工学に比べると、答えが出にくい分野です。色々な角度からアプローチしないといけません。
それに比べて、企業を持っている分、ビジネスでの失敗は減らしていく必要があると思うので、研究するだけでは限界があるということを日々勉強させてもらっています。
ただ、お金儲けの方ばかりに気を取られると研究の方がおろそかになってしまうし、研究の方に力を入れるとビジネスがおろそかになってしまう。その辺のバランスの取り方が課題だと考えています。
ただ、商品を普及・進歩させるためにやはり売れることが条件です。
多くの方の賛同や協力を必要とするので難しいと感じています。
ブルーオーシャン研究所さんは、今後どのようにしていきたいと考えていますでしょうか!
伊藤:今後、私自身が伸ばしていきたい、いかなくてはいけないところは、会社のマネジメントの部分だと考えています。
研究というところだけではなく、商品を売って社会貢献をどのような形で行うのかのビジネスプランを具体的にしていかないといけないですね。会社の後継者も含めて、課題だと考えています。
会社自体を大きくすることは目的ではないのですが、商品を普及させ、社会貢献したいと考えています。
日本は排他的経済水域が世界6位ということもあるので、海底資源を活かさない手はないと考えています。自分たちからその重要性を発信したいです。
伊藤さんが思う、川越の良さ、魅力を教えてください!
伊藤:私は、川越の静かで時間のゆっくりしているところが好きです。
あと少し封建的なところが名古屋と似ているなと感じて、故郷を思い出します。
川越は、街そのものが古く趣があり、お寺や神社が多いです。
私も近くの神社やお寺によく散歩で行っています。やっぱり静かなところで、心が収まり穏やかになります。そういうところが川越には多くいいなと感じています。
特に不満は思い浮かばないです。
多くの観光客も来られていますが、非常にいい方ばかりが来られていると思います。いい人の周りにはいい人が集まってきます。
名古屋に戻りたいとは思いませんが、どこかのタイミングで地元の小学校とか中学校を巡ってみたいなと思っています。ただ、私自身はもう川越から動くつもりは全くありません。それくらい、ずっと居たくなる街ということです。
住所 | 〒350-1114 埼玉県川越市東田町4−1 |
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電話番号 | 049-265-6508 |
公式HP | https://boi.co.jp/ |