出店者・主催者・来場者の三方が笑顔になる場づくりを掲げる「小江戸川越キッチンカー協会」。理事長の西岡武正さんは、自身のキッチンカー運営で得た実感を起点に、川越らしい賑わいを“点”から“面”へ広げる挑戦を続けています。今回は、協会設立の想いから運営のリアル、これからの展望までをうかがいました。
「小江戸川越キッチンカー協会」を川越で立ち上げられた背景にはどのような想いがあったのでしょうか。
協会立ち上げ以前は私自身もキッチンカーをやっていました。
現場にいると、オーナー側の不満や課題がよく見えてきます。たとえば「出店料は高いのに集客がなく赤字」「逆に安くてもお客さまが来ない」など、場所ややり方次第で結果が大きく変わる。
片方だけが得をするのではなく、主催者とキッチンカー双方が“Win-Win”になる関係を作りたい。そのために、調整の窓口として機能する“協会”という形にしました。出店者・主催者のやり取りを一本化すれば、お互いの負担が減り、良いイベントを持続しやすくなると考えています。
「小江戸川越キッチンカー協会」ならではの特徴を教えてください。
既存の大きな催し物に参入するだけではなく、新たな場を立ち上げ、主催者と並走する点が特徴です。
事例として、ウェスタ川越での「ウェスタdeランチ」を2024年から毎月第3木曜に定期開催しています。(2025年10月時点)
立ち上げ当初は手探りの状況でしたが、現在では継続的な開催を通じて安定した売上が見込めるイベントへと成長。施設側の認知向上や近くで働く方々のランチ需要の掘り起こし、出店者の経験値アップにもつながっています。既存行事の“取り合い”ではなく、川越に新しい動線と日常的な賑わいを生み出していきたいと考えています。
「小江戸川越キッチンカー協会」の活動や運営にあたって、大切にしていることは何ですか?
まず三方よしですね。来場者が「おいしい・楽しい」と感じ、主催者が「またお願いしたい」と言ってくださり、出店者が「やってよかった」と思えること。そのために、規模や客層に合わせた台数・メニュー構成の提案をおこないます。
また、川越の中心部だけに頼らないことも大切だと考えています。
人が集まりにくいエリアや施設でも、食を軸に人が集まる仕組みを作る。点在する賑わいを結び、“点”ではなく“面”でまちを活性化していきたいです。
活動の中で、喜びややりがいを感じる瞬間はどのようなときですか?
やはり主催者からの「また来てね」という一言ですね。そこに至るまでには、当然お客さまの笑顔がある。
私は今も時々、自分でキッチンカーに立ちます。
お客さまに「おいしかったよ、ありがとう」と言っていただける瞬間は、何度経験しても嬉しい。現場の温度感を忘れないことが、協会運営の判断にも生きています。
協会運営での苦労や大変だったこと。それを乗り越えてきたエピソードを教えてください。
現在80を超えるキッチンカーが所属しています。数が増えるほど信用の維持が課題になります。時間を守らない、当日キャンセルなど、稀にそうしたケースもあり、それは主催者にも来場者にも迷惑なこと。
そこで、明確な規約を設け、遵守できない場合は退会もありうる運用にしています。事前の周知と現場確認、トラブル時の即応で主催者への影響を最小化する。協会は“紹介者”であると同時に“信用の担保”でもある。この意識を徹底しています。
今後「小江戸川越キッチンカー協会」としてこれから挑戦していきたいことを教えてください!
周辺エリアや各種施設に人の流れを生む仕組みづくりをさらに進めたいです。中心部の賑わいと周辺の魅力を、食を通じてつなぐ。たとえば、企業の福利厚生イベントや町内の夏祭り、さらには寺院での催しなど、多様なフィールドでの実績が広がっています。
また、構想段階ですが、子ども食堂にキッチンカーを取り入れる取り組みも模索中です。商売の損得だけでなく、食と人が交わる場に価値を生むことに、キッチンカーの可能性を感じています。
最後に、川越の魅力や好きなところを教えてください。
川越は風情があり、中心部は観光地として成功しています。でも、伊佐沼や角栄商店街などのように、少し離れたエリアにも素晴らしい場所がたくさんある。
私たちは、そうした場所にもう一度息を吹き返すお手伝いをしたい。点の賑わいを線や面につなぎ「どこに行っても楽しい川越」を、食を通じて形にしていけたらと思います。
| 公式HP | ■公式HP:https://www.koedokawagoekitchencar.com ■公式Instagram:https://www.instagram.com/kawagoe_kitchencar/ |
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