渋谷に本社を置くIT企業 株式会社BTMが掲げるミッションは「日本の全世代を活性化する」。その取り組みの一環として、全国各地に“ラボ”を展開し、地域に根ざした人材育成と企業支援を進めています。埼玉県では川越の地を選び、産業フェスタへの連続出展、地域の魅力を活かす観光アプリのプロトタイプ制作など、地元とつながる動きを着実に積み重ねてきました。
今回は、WEBソリューション事業部 部長の播口暁さん、同 川越ラボグループ長の塩澤光貴さんに、川越ラボ立ち上げの背景、現場での手応えや課題、これからの挑戦、そしてお二人が感じる“川越の今と可能性”をうかがいました。
「株式会社BTM 川越ラボ」が立ち上げられた背景と経緯を教えてください。
播口さん:
当社は「日本の全世代を活性化する」というミッションのもと、ITの力で企業や地域の課題解決に取り組んでいます。実現のためにはITに興味がある方への“機会提供”が不可欠だと考え、全国採用や全国各地でのラボ展開を進めてきました。ラボでは、未経験人材の育成から、他社エンジニアとの連携、そして地域企業へのマッチングまで、現地完結を意識した体制を整えています。
事業は大きく二つで、ひとつはITエンジニアリング、いわゆるSES(システムエンジニアリングサービス)領域。もうひとつがDXソリューションです。前者は提携企業やフリーランスなど数十万人規模のエンジニアデータベースを活用したマッチングが強みで、後者は“お悩み相談”から始める提案・実装・運用まで伴走する形。2022年の上場以降、地域ラボを構えるエリアの銀行や企業との連携が広がり、全国の企業から相談が増えたことも、地域ラボの意義を後押ししました。
川越を拠点に選んだのは、全都道府県にラボを構えるという目標がある中で、埼玉県に拠点を構えようとしたとき、渋谷本社とインフラのエリアが重複せず、かつ県西部エリアの開拓に寄与できると考えたためです。所沢とも比較検討しましたが、古さと新しさが同居する街の雰囲気を見たとき、なんかちょっと面白いことができるんじゃないか?という期待感を持って川越に決めました。
川越ラボならではの特徴や取り組みを教えてください!
塩澤さん:
川越ラボは“開発拠点”であることに加え、地域に開いた活動を続けています。象徴的なのは「川越産業フェスタ」への継続出展。今年で4年連続出展の予定です。川越に関連するアプリケーションを展示し、来場者の方に触れていただきながら、当社の存在や技術を知ってもらう機会にしています。
播口さん:
技術力の底上げという観点でも、産業フェスタを活用しています。仕事では最新技術をすぐに投入できるとは限りませんが、社内プロジェクトとして試し、フィードバックを得る場として機能している。昨年は観光サポート系のアプリをプロトタイプとして披露しました。今後は“毎年別のもの”ではなく、一つのサービスを継続的に磨き込むことで、将来的なサービスインを見据えてブラッシュアップを進めています。
チームづくりや働く環境づくりで大切にしていることは?
播口さん:
当社はコロナ以前からリモート環境の開発に取り組んでおり、東京・福岡間での分業などを通じてノウハウを蓄積してきました。リモートで最も重要なのは「自主性」です。仕事に対して能動的に動けることを採用要件として重視しています。
塩澤さん:
環境面では、SlackやGoogle Meetなどで“いつでも声を掛けられる”状態を保ち、心理的安全性を確保する文化を徹底しています。意見はまず受け止め、必要に応じてフィードバックをする。上司や同僚へ相談しづらさを生まないオープンな雰囲気づくりに気を配っています。
川越ラボで働く中で、喜びを感じる瞬間は?
塩澤さん:
直近では子ども向けタイピングゲーム”をゼロから設計・実装した案件が印象的でした。リリース後の利用者数が伸び、検索でも上位に上がってくる過程を見ていて、手応えを強く感じました。
不特定多数の方に使っていただき、反応が数字や声で返ってくるのは大きなモチベーションになりますね。
BTM川越で苦労されていることと、それを乗り越えていくエピソードを教えてください。
塩澤さん:
産業フェスタの準備は、日常業務の合間にメンバーで協力して進めています。出展自体が直接の売上になるわけではないため、短期的な成果に結びつけづらい難しさはあります。また、川越ラボは開発人材が中心で、現時点では専任の営業がいません。地域企業との接点を増やし、川越発の案件を生み出す体制づくりは、これから強化していきたい部分です。
播口さん:
産業フェスタは“認知と技術の両輪”として続ける価値があると考え、毎年ゼロから作るのではなく、一つのサービスを継続開発し、サービスインしていけるような方針に変更しました。昨年の観光サポート系アプリを核に、ブラッシュアップを重ねています。最終的には、地域や観光客の皆さまへ使っていただけるレベルまで育てたいと考えています。
川越ラボで新しく挑戦したいことを教えてください。
播口さん:
地域活性化の意味でも川越の企業さまに向けたDX支援を、より積極的に展開していきたいです。「ITで困ったら駅前のBTMへ」という存在感を地域で確立すること。そのために、産業フェスタ以外の場でも、接点を増やしたい。将来的には、川越ラボ自らが案件を受け、完結まで担える体制。必要に応じて営業人材の配置も視野に入れ、地域完結のモデルをつくっていきます。
塩澤さん:
現状は本社経由の案件が中心ですが、「BTMに」ではなく「川越ラボに」直接声をかけていただける状態を目標にしています。観光アプリのような“地域の役に立つプロダクト”を具体化し、実装の実績を積み上げることで、その第一歩にしたいです。
最後に、川越の魅力や好きなところを教えてください。
塩澤さん:
最初のイメージは“小江戸の街並み”でしたが、働くうちに“暮らしの活気”を強く感じるようになりました。クレアモールは朝から夜まで人の流れが途切れず、シャッター街の印象がない。観光地の顔だけでなく、日常がしっかり息づく商業地としての魅力があります。
播口さん:
全国の自治体に足を運ぶ立場から見ても、川越の“元気さ”は際立っています。駅前だけが賑わう街とは違い、古さと新しさが良いバランスで共存し、住む視点でも利便性が高い。地域の方にとっては当たり前で見過ごされがちな価値が、外から来るとよく見えてくる。BTMとしては、そうした価値を技術と情報発信で可視化し、新しい可能性につなげていきたいですね。
| 住所 | 埼玉県川越市脇田本町15-18ニューパレスビル本館3F |
|---|---|
| アクセス | JR川越線・東武東上線「川越駅」徒歩2分 |
| 公式HP | ■公式HP:https://www.b-tm.co.jp ■公式X:https://x.com/btm_pr_ |






