「ベイクショップ　ミリ秒」を川越で始められたきっかけを教えてください。

最初はシェアキッチンからのスタートでした。ベーカリーで働きながら、自分のパンをつくってみたいと思ったのがきっかけです。仕事を続けながらでもいいから、まずはやってみようと始めました。

その後もベーカリーで働きながら活動を続けていましたが、コロナの影響で一度休んだ時期もありました。それでもパンづくりは続けていて、シェアキッチンを変えながら活動してきました。そして、川越に住んでいたこともあり、物件との出会いがあって、ここで店を構えることを決めました。

「ベイクショップ　ミリ秒」のパンのこだわりや特徴について教えてください。

一番大切にしているのは、小麦粉の香りや味をしっかり出すことです。日本はパンの国ではないからこそ、海外のパン、本場のパンに強く惹かれてきました。自分が好きなもの、インスピレーションを受けたものを形にしています。

コンセプトはかなり極端で、小麦粉を最大限に活かすシンプルなハード系が中心です。余計なことをしない方が粉の個性が伝わると感じています。一人でやっているからこそ、自由に小麦粉を選び、食べ比べができるようなパンづくりができています。

バターを使うパンもありますが、あえて豆乳クリームを使うこともあります。風味を足すためではなく、粉の味を消さないための選択です。そうした点も含めて、小麦粉を楽しんでもらえるパンを目指しています。
ぜひ食べてほしいのは、バケットとセーグルです。水分量が多く、蒸し焼きに近い焼き方をしているので、国産小麦でもちもちとした食感が出ます。
一般的なパン屋ではあまり見かけない形のパンも多く、知らないパンに出会えるのも特徴だと思います。形には意味や背景があり、それを知ってもらうことも楽しみのひとつです。

「ベイクショップ　ミリ秒」パン作りで大切にしていることは何でしょうか。

決まりはありますが、生地を最優先にしています。ベーカリー勤務時代は、長さや時間を揃えることが求められましたが、今はその日の生地の状態を見て判断しています。

生地のコンディションは日によって違いますし、自分の状態も違います。無理に揃えることはせず、その日の生地に合わせてつくることで、納得のいくパンになると感じています。その分、焼き上がりの時間やメニューが直前まで確定しないこともありますが、それも含めて今のスタイルです。

「ベイクショップ　ミリ秒」を続けていて、嬉しい瞬間はどんなときですか。

ここのバケットを食べたら他のものが食べられなくなったと言ってもらえたり、親御さんに持って行ったら美味しかったと電話が来たという話を聞いたりすると、本当に嬉しいです。

大事な日の前に、気合いを入れるために買いに来てくれる方もいます。インスタグラムのDMで感想を直接もらえることも多く、それが続ける力になっています。

「ベイクショップ　ミリ秒」で今、苦労されている点や課題はありますか。

やはり、知ってもらうことと集客です。まだ存在を知られていないと感じる場面は多く、メディアやイベントに出ることで、少しずつ広がっていけばと思っています。

実際に、何かに取り上げていただけると、霞ヶ関にこんなお店があったのかと言われることもあります。まずは地域の方に知ってもらうことが大切だと感じています。

「ベイクショップ　ミリ秒」で今後、力を入れていきたいことを教えてください。

まずは環境を整えることです。機材を揃えたいという思いはあり、オーブンも購入しましたが、まだ十分に使えていない状況があります。設備が整えば、もう少し余裕を持ってパンづくりができると思っています。

また、イベント出店も続けながら、ここに店があるということを伝えていきたいです。無理のない形を探りながら、続けていくことを大切にしています。

川越の魅力について教えてください。

ものづくりやこだわりのあるお店が多いところに魅力を感じています。観光地としての川越もありますが、少し外れると静かで、面白い店が点在しているのが霞ヶ関の良さだと思います。
焼き鳥屋さんなど飲み屋もありつつ、ざわざわしすぎない雰囲気も好きです。角栄商店街周辺も含めて、歩くと発見のあるエリアだと感じています。

住所	埼玉県川越市上戸288-1
電話番号	–
営業時間	営業時間： 15:00～22:00 定休日： 不定期営業（公式Instagramにて告知）
アクセス	東武東上線 霞ヶ関駅北口から徒歩5分
公式SNS	https://www.instagram.com/bakeshop_millisecond/