「フォーマットに当てはめすぎないで、目の前の[生]をそのまま撮りたいんです」。そう語るのは、映像制作チーム「Bright Light」代表の片桐賢久さん。2019年、山形市で古いビルを自らリノベーションしてスタジオを開き、コロナ禍をきっかけに映像制作の道を本格化。現在は山形と川島町の二拠点で活動しています。
「Bright Light」の活動を川島町で始められたきっかけを教えてください
片桐さん
2019年、山形市で古いビルをリノベーションしてレンタルスタジオを始めたのがはじまりです。半年ほど経った頃にコロナ禍に突入し、ライブ配信の需要が高まりました。もともと趣味で映像を撮っていたこともあり、配信や撮影ができる場所としてスタジオを活用したことで、映像制作の依頼が増えていきました。
川島町とのご縁は2024年。妻が地域おこし協力隊として採用されたのがきっかけです。実はそれ以前に、妻が鴻巣で花に関する講習を受けていた時期があり、その送迎の合間に私が川越を訪れることが多く、自然と人とのつながりができました。
その縁がきっかけとなり、川越・川島エリアに関心が広がっていったんです。
「Bright Light」の特徴やこだわりはどのような点ですか?
片桐さん
クライアントの「作りたいもの」をどう実現するかを第一に考えていますが、全体のテイストとしては脚色しすぎない映像づくりを意識しています。テロップやロゴを多用せず、画そのものが語る映像を目指しています。以前、山形の農協青年部のPR映像を作った際は、結果的にロゴやテロップなどは入れませんでしたが、いま見ても一番納得のいく作品のひとつです。
この自然な空気感や手触りを大切にする姿勢は、山形や川島の風景の影響もあるかもしれません。どちらも自然が豊かで、人や土地の[素]が映える場所。だからこそ、演出よりもそのままを残したいという気持ちが強いのだと思います。
現場やチームで大切にしていることについて教えてください!
片桐さん
チームで動く際は、それぞれの感性を尊重しています。
イベントの密着撮影などでは、カメラマンの目線の違いが作品の深みになる。こちらから細かく指示するのではなく、「ここは押さえて、あとは自分の感覚で」と任せるようにしています。
また、クライアントとの関係でも「こちらの美意識を押し付けない」ことを大切にしています。どう見せたいのか、どんな感情を残したいのかを丁寧にヒアリングして、映像を一緒につくり上げていく。そのプロセスが、結果的に自然な表情につながると思っています。
「やっていてよかった」と感じる瞬間はどのようなときですか?
片桐さん
多くの人の人生の話を聞けることです。
たとえば農家さんや製材所の方など、普段なかなか聞けないような「仕事の理由」や「続けてきた想い」を伺う時間が本当に好きで。撮影を通して、その人の人生の一部を記録できるのは、何よりもやりがいがあります。
以前、ある製材所での撮影後に「働くお父さんの姿を撮ってもらうのは初めてなので嬉しい」と奥さまから声をかけていただいたことがありました。その言葉がずっと心に残っています。
運営をするなかでどのような苦労があり、それをどのようにして乗り越えてきましたか?
片桐さん
最初の壁はコロナでしたね。スタジオをオープンして半年で社会が止まり、どうしたらいいのか分からない時期でした。そんな中「配信もできるスタジオ」として打ち出したところ、ダンスコンテストやオンラインイベントの撮影需要が生まれました。
ある時は、結婚式を少人数+配信で行うハイブリッド形式の会場にもなりました。新郎新婦の友人たちがリモートで繋がり、スクリーン越しに40人が並ぶ姿を見た時、「時代の形に合わせる柔軟さ」が必要だと強く感じました。
今後「Bright Light」として挑戦していきたいことを教えてください!
片桐さん
大きく2つあります。
ひとつは「場づくり」。
前職が不動産業だったこともあり、空き物件の活用には以前から関心があります。埼玉でも、映像制作や収録、トークイベントなど人が話すことに特化した場所をつくれたらと思っています。ポッドキャストのような音声コンテンツも含めて、人の声を残すメディア空間を構想中です。

もうひとつは、自主映像企画として“働く人の記録映像”をつくること。
家族がなかなか見ることのない親の仕事姿を映像で残し、家族の記憶に刻む。これは再生回数や広告価値を求めていくこととは異なり「人生を記録する映像」として挑戦していきたいと考えています。
川島町の魅力、好きなところについて教えてください
片桐さん
私の出身地・山形県川西町と風景が本当によく似ていて、初めて来た時から親近感がありました。田園が広がる穏やかな景色に加え、町の規模感も心地よい。派手さがあるわけではないですが、暮らすほどに味が出るスルメのような町だと思います。
また、川越や鴻巣とも近く、圏央道で山形との行き来もしやすい。撮影拠点としても非常にバランスの良い場所です。地元の方も温かく迎えてくださり、ここで活動できることを嬉しく感じています。
| 公式HP | https://www.brightlight2015.com/ |
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