川越の株式会社工藤築炉工業は、焼却施設・廃熱ボイラーを主としながら、お客様の満足向上のため、絶えず追求し、挑戦しています。直近ではピザ窯作りにも挑戦されています。
工藤築炉工業所を川越で立ち上げた背景や経緯について教えてください!
工藤:元々は川越市の隣の日高市というところに住んでいましたが、川越で暮らすようになってもう20数年くらい。
けっこう川越って独特な景観があって、結構楽しいところだなと思って住んでいる感じですね。
「工藤築炉工業所」は父の代から始まりました。
営業する上で埼玉県のどこですかって言われた時に「川越」って言うとネームバリューもあるのと住み慣れていた川越に貢献できればと思って営業拠点は川越としてスタートしました。
「築炉」は元々父が個人で営んでいましたが、建設業界の社会保険加入問題等で法人化して、今に至る感じです。
小さい頃から親の手伝いをしていた事で結果的に受け継ぐことになりました。
迷いは特にありませんでしたが、親子なので何も教えてくれませんでした。
昔の職人気質だから教えてくれないんですよ。「見て覚えろ」「体で覚えろ」みたいな。
仕事覚えるのが大変でした。
工藤築炉工業所のお仕事で大事にされていることは何ですか?
工藤:「一期一会」を大事にしています。「人と人とのつながり」ですね。
うちは昔から「来るもの拒まず、去るもの追わず」。
人がいないとできない仕事なので、みんなの協力を得ながら、他方の技術を集結してやっていくようにしています。
具体的には積極的に求人を出したり、説明会に参加したりとまずは築炉の仕事を知ってもらえるよう活動しています。
建設業界は敬遠されがちなので応募数は増えてはいませんが、めげずに頑張っています。
他にもホームページで協力会社を募っていたら、地方他社ともつながりができて一緒にやりましょうと声がかかるようになりました。
築炉の技術を継承していかないといけないので、なるべく若い人材に入ってもらいたいです。
みんなに分かりやすく見てもらえるようにとホームページもリニューアルしています。Facebookも最近始めています。
築炉=ゴミ焼却炉というイメージですが、他にもどのようなものがございますか?
工藤:焼却炉以外だとコークス炉(鉄鋼用)や工業炉(ガラス用)とか、熱源を利用するボイラーシステムなどもあります。
うちのメインはゴミ焼却施設の築炉工事を行っていて、みなさんの身近なところでこだわりを持って造っています。
工藤築炉工業所で仕事をされていて、喜びを感じる瞬間はどのようなタイミングでしょうか?
工藤:大きな現場になるほど工程管理や人員調整が大変ですが、お客様の検査を受けて通ったときが喜びですね。
焼却炉を1から造るとなると築炉の部分だけでも1~3カ月かかります。
それをいざ引き渡す時に、全てが新しいもので、全部うちがやったのだという達成感。
これをみんなに使ってもらい、いずれまた修理ができるのかな?って。
そういう所が醍醐味ですよね。
建設業だと一般的に部門毎(足場や溶接など)で分かれていますが、うちはCADで図面をおこしてから材料の手配、足場から解体・運搬・施工まで一通り行うので、そこが誇れるところです。
こういう技術が出来るのは小さい企業では中々ないですね。
珍しい事ですが、こんな小さい会社でも新設を任せてもらえることもありました。
スキルのある良い社員たちのおかげで満足してもらえるものを造ることができ、そんな社員がいてくれて本当に良かったなと思っています。
工藤築炉工業所の仕事の中で難しいなと感じる瞬間はどのようなタイミングでしょうか?
工藤:やっぱり人材不足についてですね。
建設業は休みが少ないと思われているようです。
更に「きつい、汚い、危険」がどうしても関わってくるので、そこをなんとか変えていきたいです。
中々いい案が出てこないですが、他社と同じことをしていても絶対うちには来てくれないので。もっと変えていかないといけないなと考えています。
例えばアルバイト採用なども考えていますし、女性も活躍できると思っています。
最初から専門知識はいらないので、まずは安全に作業が出来るよう安全教育から始まり、道具を覚えながら軽作業と入っていくので未経験の方でも問題ありませんよ。
全く現場経験がない元コンビニ店長だった社員が入社してから1年が経ちますが、築炉工事の流れも分かってきたところで業務の幅を広げるために資格取得に向けて頑張ってくれています。
このまま経験を積んでもらい、最終的には現場を任せていきたいです。
なので、現場経験がなくても大丈夫です。未経験の方でも、もの作りに興味のある方が良いですね。
SDGs(エス・ディー・ジーズ)にはどのように取り組まれておりますか?
工藤:2・3年前から商工会議所の青年部で「SDGs」を推進していこうという話になりました。
大企業はされていますけど、セミナー・講習会を受けてみて、中小・零細企業の自分たちもしないとダメだよねって話になりました。
今うちでできる事はなにかってなった時に、「モノを作る責任、使う責任」というところかなと考え、ホームページに反映させたり、産業廃棄物の運搬許可の申請をしたりしています。
建設業でSDGsに関わることは難しいですが、「これしかないからってやんなくていいのか」という観点から、今後の会社の為にも環境保全のためにもなるので、積極的に商工会議所が先頭にたって推進しています。
※SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。
工藤築炉工業所として今後進化していきたい・伸ばしていきたいことを教えてください!
ホームページにもありますがピザ窯(試作中)を売り込んでいきたいです。
今考えているのはBBQ用で、すでにモニターの声から、もう一段階ブラッシュアップして完成に近づけていく予定です。
父と二人で相談しながら、ドーム状じゃ持ちにくいから把手をつけようか、この重さで持てるかなとか試行錯誤しながら造り上げていくのは、仕事より楽しいですね笑
市販のピザよりおいしく焼けるのでぜひ広めたいです。
薪も古材ではなく、樫や楢や桜の木を使うと更に美味しくなるみたいなので、そこの研究も必要なのでより美味しく焼けるピザ窯目指して頑張りたいです。
ただ、人手不足なので、考えているが行動に移せていないのが現状です。頭ではやってみたいことが膨らんでいるけど笑
あと商品化するには2年くらいかかるかもしれないけど早めにやりたいな~と。
川越でどのような存在でありたいですか?
工藤:みなさんが川越で住みやすいように社会貢献や寄付に取り組んでいます。
川越は今年100周年なので寄付させていただいています。
率先的に地域の催し物などでお手伝いできたらと思っています。
最後に、伝えたいことはございますか?
工藤:これを機会に「築炉」を知っていただきたいです。
川越には1社しかないので、こういう会社もあるなと。昔ながらの技術のスキルはあるので、
お客様からも「これできませんか」とお声がけいただいています。とりあえず川越にこんな会社があるよと知っていただきたいです。
小さい会社ですけど社会貢献や事業継承して、続けていかないといけません。
築炉工事(特に煉瓦積み)をやれる人って数少ないので、繋げるためにはうちの会社をアピールしていかないと。
築炉工事をやっている会社って身近にあったのだと興味をもっていただいけるのが一番かな。
それと共に事業を継承したいと思ってくれる人が現れるのが一番本当は有難いですけど。
そこに繋がるように今後は色々活動しないといけないですね。
住所 | 〒350-0824 埼玉県川越市石原町1丁目27−1 |
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アクセス | 川越駅から車で15分 |
公式HP | https://kd-brick.co.jp/ |
公式SNS | FaceBook:https://www.facebook.com/kdbrick1203/ |