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文化

「小梅や」は川越発の帯バッグブランド。眠っていた帯がよみがえる一点物の手仕事に迫る

小梅や川越
タンスに眠る帯を美しいバッグに!

 

川越市連雀町にアトリエを構える帯バッグの「小梅や」。 ここでは、芸者だった祖母が締めていた帯や、タンスの中で眠っていた帯たちが、世界にひとつだけのバッグとしてよみがえっています。 代表の藤代さんは、東京の下町 亀戸育ち。幼少期を過ごした祖母宅の風情が忘れられず「懐かしいもの」が大好きになったといいます。川越の街に強く惹かれた藤代さんが取り組む「川越発の帯バッグ」の挑戦に迫りました。

今回は藤代さんにお話を聞いていきます!本日はよろしくお願い致します!

「小梅や」を川越市で立ち上げられたきっかけを教えてください!

藤代:
おばあちゃんは向島の芸者で、昭和の香りが色濃く残る住まいで一緒に暮らしていたんです。その頃から、昔の家や道具など懐かしいものが大好きでした。

初めて川越に来たとき、蔵造りの町並みや、横丁を曲がるとふいに現れる神社や古い建物の数々に、「街全体がタイムカプセルみたいだな」と感じました。居心地がよくて、「ここで暮らすように仕事ができたら」とずっと思っていたんです。

ちょうどその頃、おばあちゃんの帯が100本近く残っていることがわかって。とても華やかで、普段の着物には合わせづらい。でも捨てられない。しかも当時の私は着物を自分で着られませんでした。

小梅や川越
「それなら洋服のときに持てるバッグにしたらいいのでは」と思いつき、大学時代の友人に帯でバッグを作ってもらって、川越で開催されたイベントで売ってみたんです。すると、「こういうのを探していた」「うちにも帯があるから作ってほしい」と、たくさんの女性が声をかけてくださって。川越だったからこそ背中を押してもらえた感覚があり「ここで起業しよう」と決めました。

「小梅や」での作品づくりの特徴や、こだわっているポイントを教えてください。

藤代:
「誰が見ても美しいと思えるクオリティ」で仕立てることを一番大切にしています。

うちでは、格の高い袋帯を使い、その帯締めを持ち手にする、という決まりごとがあります。帯と帯締めが、バッグに生まれ変わって再び出会う。その美しさをできる限りシンプルに見せるデザインにこだわり続けています。

小梅や川越
そして、すべてが一点物であることも特徴です。同じ柄、同じ状態の帯はひとつもないので、同じ作品は二度と作れません。ビジネスとしては弱みに見えるかもしれませんが、私は「誰とも被らないファッション」であることが強みだと考えています。

海外のお客さまにも評判なので、その手応えを確かめたくて、東京・歌舞伎座のポップアップにも挑戦しました。国内外の多くの方に「素敵だね」と言っていただけたのは、大きな励みになりました。

「小梅や」の運営において、日々大切にしていることを教えてください。

藤代:
「その人の得意を生かす」ことです。
今は10人のお針子さんと一緒にバッグを作っています。図面通りにきっちり縫うのが得意な人、柄合わせが上手な人、お客さまの希望を聞きながらゼロから形を考えるのが得意な人。それぞれのお針子さんに得意なことがあります。

その人が「やりたい」と思うことと、私が「任せたい」と思う部分が重なるように役割を決めることを意識しています。技術のある女性たちが、自分の腕前で仕事を生み出せる場をつくることも、「小梅や」の大事なミッションだと思っています。

小梅や川越

お仕事の中で、「やっていてよかった」と感じる瞬間を教えてください。

藤代:
最近特に増えているのが、セミオーダーのご依頼です。
セミオーダーは、お客さまご自身の家に眠っていた帯をお預かりして、「小梅や」のバッグに仕立てるというものです。「母がたくさん着物を持っていたけれど、自分は全然着なくて…。タンスの中で眠らせているのがずっと気になっていた」とおっしゃる方も多いです。

小梅や川越
あるお客さまは、帯をバッグにしてお渡ししたときに「これで母と一緒に出かけられます。小梅やさんに出会えてよかった」と言ってくださいました。別の方は、おばあちゃんの帯を、お母さん・娘さん・お孫さんの三世代分のバッグにされました。
帯たちが、もう一度家族の思い出をつなぐ役割を果たしているのだと思うと、本当にうれしいですね。理屈抜きに「美しいわね」と喜んでくださる、その瞬間の表情を見るのが、いちばんのやりがいです。

一方で、運営面でのご苦労や、そこをどのように乗り越えてこられたのかも教えてください。

藤代:
一点物で、人の手でひとつずつ作るということは、強みであると同時に、やはり苦労も伴います。帯のご寄付に支えられている面もあり、今は大量生産ができません。
また、お針子さんはこの20年ほどで数が大きく減り、高齢化しています。「縫えるのに、技術を活かす場がない」という声もたくさん聞きました。

小梅や川越
だからこそ、「思い出の帯を、地域の女性たちの手仕事で誰もが喜ぶバッグにする」というビジネスモデルを、もっと多くの方に知ってもらいたいと思っています。
お針子さんが増え、帯や帯締めのご寄付が増え、「うちの店先で出してみない?」と声をかけてくださる方が増えていく。その小さな輪が、少しずつ大きくなっていくと信じて続けています。

今後「小梅や」として挑戦していきたいことを教えてください!

藤代:
今は台湾で、2026年2月までポップアップを行っています。クリスマスから旧正月にかけて、ありがたいことに驚くようなペースで作品が旅立っていくので、まずはそこをしっかり成功させたいです。台湾国内で継続的に流通するきっかけを掴むことが目標です。

さらに、2026年1月にはシンガポール、3月には横浜でも出店を予定しています。チャレンジの場を一つひとつ広げ、「世界中、どこで見てもらっても喜んでもらえる小梅や」になっていきたいですね。
外で実績と評判を積み上げ、「あのブランド、川越発なんだよね」と言ってもらえるようにすること。川越のデザイナーさんに作ってもらったパンフレットで「川越」に触れているのも、その思いの表れです。

小梅や川越

「小梅や」として川越ではどんなことをされているのですか?

藤代さん:地域に根ざした取り組みとして「ラストサンデーマーケット」に参加しています。毎月最終日曜日に川越で実施しているイベントです。

Instagramのアカウントでも随時イベント情報を発信していますので、みなさまにも是非、お越しいただきたいです。

藤代さんが感じる、川越の魅力や好きなところを教えてください。

藤代:
街のあちこちがタイムカプセルのようで、その風景や歴史をみんなが大事にしているところが好きです。
それから、人のつながりのやさしさですね。「あの人知ってるよ」「今度会ってみない?」と自然に人をつないでくださる方が、本当に多い。イベント出店で頑張っていた頃から、たくさんの方に助けられています。

小梅や川越
住所 〒350-0066 埼玉県川越市連雀町16-8・2階(アトリエ)
アトリエへの来店ご予約は koumeyaproject@gmail.com まで
公式HP https://coumeya.com/