グルメ

十人十色で味わう未体験の感動。十人十色藤田さんはせんべい手焼き体験で心に残る思い出を川越で。

十人十色は菓子屋横丁入り口にある手焼きせんべい体験が出来るお店です!

 

十人十色は菓子屋横丁にある手焼きせんべい体験ができる体験型観光スポット!十人十色では、実際に手焼きの工程を体験でき、手焼き体験を始めると、お煎餅の香ばしい香りが店内に広がります。お子さんでも楽しめる魅力があります。

今回は十人十色の藤田さんのお話を聞いていきます!本日はよろしくお願い致します!

ご自身でお店を作ろうと思った経緯にはどのような背景があったのでしょうか?

藤田:私自身小さい頃から自分で商売をしたいという想いはもっていました。ただ踏ん切りがつかなかったことや資金もなかったことから、まずは別業種でサラリーマンを始めました。

 十人十色のような形のお店をやりたいというのは実は30年ほど前から考えていました。というのも、飲食店で料理人になるとすると、一人前になるためにやはり相当な年月の修行期間が必要になります。そうではなくて比較的お店を立ち上げやすいような種類のものを選ぼうと考えていました。

 旅行などで観光地を訪れる度、様々なお店を見ては「もっとこうすれば良いのに」「私だったらこうするな」といった考えは常にもっていました。
一度勤めていた会社が買収されて当時働いていた大阪の拠点が無くなることがありました。その会社に勤め続けるには関東に異動することを受け入れなければなりませんでした。その時もいっそ会社をやめて自分でお店を開こうかと考えましたが、まだ子供が小さかったこともあり、断念しました。結果的には関東ヘの異動を受け入れることになりました。役職定年をする際も自分でお店をやることを検討しましたが、タイミングが合わず断念しました。

 ついに定年が近づいてきたというタイミングで、定年後に何をしようかという話を奥さんとするようになりました。私自身はやはり自分のお店をやりたいという想いをもっていましたので、定年後はそのように考えていましたが、実際に定年を迎えてから開店に向けて準備をするというのでは遅すぎます。なので定年退職をする前に少し動き出して、もしうまくいかないようであれば自分のお店を持つのはやめようということになりました。

十人十色で提供されている、せんべいに関してのこだわりや、今のお取引先とつながった経緯を教えてください!

 せんべい屋のオープンに向けて、まずはせんべいの生地を探すところから始めました。
よく観光地などにある手焼きせんべい屋さんでは、せんべいの生地に醤油なんかを塗って焼くというお店がありますが、私はそれだけではつまらないな、例えば焼き上がりで生地が大きくなるようなものがあれば面白いのになと考えていました。

そういった考えから、まずは焼いて大きくなる生地を探し始めました。
とはいっても普段サラリーマンをやっている人間にせんべいの生地を売ってくれるようなツテは一つもありませんでしたから、インターネットで全国の米菓組合を調べて、新潟など思いつくお米どころの業者さんに片っ端から電話をかけました。
焼いたら大きくなる生地を探しているんです」とお話ししてもそういう生地を扱っているところはほとんど見つからず、たまに「うちのは大きくなるよ」とおっしゃった業者さんにサンプルを送ってもらい自宅に作った小さな窯で焼いてみても私が思っているよりも大きくならない。大袈裟ではなく何百社と電話をかけましたが、私の理想の生地は見つかりませんでした。

 途方に暮れていた時、たまたま何キロ単位という少量から生地の作成を請け負ってくださる業者さんが埼玉県で見つかりました
無いものは作ってしまおうということで、その業者さんにお願いをして私の思う材料の配分で生地を作成してもらうことになりました。

もちろん業者さんの方が生地作成に関してはノウハウをお持ちでしたので、様々なアドバイスをいただきながら、何度も試行錯誤を続けました。
1年以上様々な材料の配分で生地の作成を続けましたが、思ったような生地は作れず、諦めかけていたところで1社の業者さんと出会いました。
その業者さんからサンプルを送ってもらい、自宅で焼いてみたところ生地がグワッと広がり、私が求めていたものはこれだ!と確信を持ちました。すぐにその業者さんに電話をかけて「私と取引してください」とお願いしたところ了承いただいたので、後日専務の方に会いに行きました。そこで私のこのお店にかける想いを伝え、次は店舗の場所を探すからオープンはいつになるか分からないけれども、必ずオープンまで漕ぎ着けるから待っていただきたいというお話をしました。

 生地が無事に決まったところで、次は店舗を出す場所を探しました。実際には、生地を作ってくださる業者さんを探すことと同時並行で場所も探していたのですが、うまく決められず、生地の問題が解決してから本格的に場所探しに移りました。手焼きせんべい体験をするお店なので、大前提として観光地にお店を構える必要があります。川越の他にも草津温泉や箱根など様々な場所を検討しましたが、平日・雨の日の人出や競合店舗が近くにないこと、当時暮らしていた街からも遠く離れていないことなどの理由でこの埼玉県川越市を選びました。

十人十色が出来るまでの苦労を教えてください!

藤田:物件探しは苦労の連続でした。
毎週のように川越に来て、多くの不動産屋さんを回りましたが空いてる物件はほとんどなく、なかなか決まりませんでした。昔の火事のこともあって火を使ってはいけないなどの決まりがある物件もあり、5ヶ月経っても一向に不動産屋さんの連絡がありませんでした。

その時に不動産屋さんに聞いた話によると、
この辺りは物件の入居希望者が大変多く、空き物件情報がインターネットに載ってからではもう遅いというような状態だそうです。
このままではダメだと思い、空いている物件を見つけては直接お邪魔して飛び込みで交渉をしたこともありましたが、さすがに何処の馬の骨かも分からないようないきなり飛び込みで交渉してくる人間には物件を貸してもらえず、うまくは行きませんでした。

それでも諦めず、物件を探していたところ1社の不動産屋さんから電話があり、「物件に空きが出ました。まだインターネットにも載っていない情報です。見に来ますか?」とのことでした。私は即答で「明日行きます。」と答え、翌日会社を休んで物件を見に行きました。それが今十人十色を構えているこの場所です。

 物件も見つけて、さあ契約しようという段階で一つ問題が発生しました。
大家さんに保証人を付けて欲しいと言われたのです。その時両親も亡くなっていましたし、保証人を付けられるような状況ではありませんでした。この時は敷金礼金を今言われている倍額出すから保証人無しで契約させて欲しいと交渉し、無事契約することができました。

このようなどうしようもない状況から抜け出せたのは、前職で上司にかけられた言葉が大きく影響しています。当時の上司から実現が難しいような要求を出された時、私は思わず「それは無理です」と答えてしまいました。その時上司は「簡単に無理だというな。何が足りないから実現できないのか。何があれば実現できるのか、そういった答え方をしろ。どうしたら実現できるかを考えろ」とおっしゃいました。まさに目から鱗でした。以来この考え方は私の礎となっています。

 十人十色のオープン前にもガス開通の際に様々なトラブルがありましたが、一つ一つ根気強く対応をしてなんとか解決してきました。いくつも不可能を可能にする経験をしてきましたが、それは不可能を可能にするための考え方をしていたということが大きいですね。

十人十色を始めるにあたって一番心に残っているエピソードはなんですか?

藤田:一つ心に残っているエピソードがあります。
私が結婚する前にある観光地に旅行に行った際、やっていたことが面白いので、絶対に流行るだろうなと感じたせんべい屋さんがありました。
ご主人が脱サラしてやられていたようでお嫁さんはまだ小さい子をおんぶしながら店頭に立っていました。

その時は奥さんと「このお店は流行ると思うな。将来こんなお店やりたいね」「私は嫌よ」なんて冗談を言って終わって、すっかりこの出来事を忘れていましたが、数年後驚くべきことが起こりました。
私と奥さんの間に子供が産まれて少し大きくなったので、旅行にでも行こうかと旅行会社にパンフレットを見に行った時のことです。ある地方のパンフレットにおすすめのお店としてあの時のせんべい屋さんが載っていたのです。
私が訪れた時は倉庫のような見た目に、中は土だったものが大きく様変わりしていて、初めはパンフレットに載っているのがそのお店だと気が付きませんでした。
私の思った通りに繁盛しているお店を見て、奥さんに「俺の言った通りだ」と興奮して伝えたことを今でも覚えています。

十人十色を営業していて、喜びを感じる瞬間はどのような瞬間なのでしょうか?

藤田:やはりお客様が手焼きせんべい体験をして感動してくれる瞬間が一番嬉しいですね。店先で集客をしているときに「楽しいですよ。体験していきませんか」とお声がけしても店内まで足を運んでくださる方はほとんどいらっしゃいません。しかし、実際に店内に入ってこられて、せんべいの手焼きを体験してくださったお客様はそのほとんどは感動して帰られます。

 お客様同士が「面白かったね」とお話ししながら帰られる姿を見るとこちらまで嬉しくなります。観光地にはまだまだ純粋に楽しめるスポットが少ないと思っています。そういった部分で風穴を開けたいと思ってこの手焼きせんべい屋を選んだところもあるので、ぜひ皆さんに体験していただいて楽しんでもらいたいですね。

十人十色として今後伸ばしていきたいと思っている部分があれば教えてください!

藤田:十人十色はまだまだ知名度が足りていません。この点で私自身の力不足を感じています。テレビなどの取材を受けることもありますが、まだまだこの場所に十人十色があることが認識されていないと感じています。

ですので、これからは十人十色の認知度向上に力を入れて、十人十色に来るために川越に足を運ぶというようになりたいですね。そのためにも、ここに来れば面白いというような十人十色なりの魅力を作って、お客様に驚きと感動を与えられるようになっていきたいと思っています。

川越の街も魅力や好きなところを教えてください!

藤田:多くの人が訪れる街はすごい魅力ですね
新型コロナウイルスの影響で今は少なくなってしまいましたが、外国からも観光客が多くきますし、都心からも近いので日本人も多くの方が観光に来てくださいます。

 また、川越商工会議所を中心として地域全体が川越を盛り上げようとしているところに、とても地域愛のようなものを感じます。日本の観光地を色々と回りましたが、ここまで自分達の住む地域を一体となって盛り上げようとしている場所はあまりありませんでした。

 川越商工会議所や地元の銀行の方々には十人十色をオープンするにあたって様々ご協力いただきました。
そういったところでも川越の温かさに触れましたね。
これからも川越を盛り上げられるよう頑張っていきたいです。

住所 〒350-0062 埼玉県川越市元町2丁目3−17
アクセス 本川越駅から徒歩12分
電話 049-299-7713
SNS

HP:https://www.juunintoiro.com/

Instagram:https://www.instagram.com/juunintoiro_yaitaro/