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玉力製菓は川越・菓子屋横丁内の創業約100年の飴菓子製造・販売所。確かな技術と伝統を次世代へ

玉力製菓は小江戸川越の菓子屋横丁に店を構える、創業約100年の手づくり飴の老舗

 

玉力製菓は4代に渡って手づくりの飴をつくり、飴づくりの技術と菓子屋横丁の伝統を守っているお店です!味わって楽しめる組飴をはじめ、薬草入りのど飴、ニッキ飴などを、昔ながらの手づくりにこだわり飴づくりをしています。

今回は玉力製菓の久保田さんにお話を聞いていきます!よろしくお願いします!

 

玉力製菓久保田さんは川越とどのような繋がりがあるのでしょうか?

久保田:私は生まれ育ちも川越で、ずっと川越で暮らしてきました。
玉力製菓で飴を作る父の背中を見て育ち、私もずっと菓子屋横丁にあるこの玉力製菓で飴を作り続けてきました。

玉力製菓は長くこちらの菓子屋横丁でお店を開かれていますが、川越の街はどのように変化していったのでしょうか?

久保田:昭和60年くらいから川越が街全体として観光地化していきまして、多くの観光客の方がこの菓子屋横丁にも訪れてくださるようになりました。

お店に来ていただくお客様も観光客の方が中心になっていきましたね。

私が子供だった昭和50年頃はこの辺りも寂れていて、開いているお店も数軒という状態でした。
そこから川越市が力を入れてくれて、道路も整備してくれましたし、観光地化に向けて様々なものを整えてくれました。
そういったことがあって、現在の川越、菓子屋横丁が出来上がりました。

それより以前、この菓子屋横丁も70店舗ほどが軒を連ねる菓子製造業の中心地でした。
その頃は直接お客様に販売するのではなく、主に製造のみを行い、仲買業者さんに卸すという形の商売だったようです。
当時から玉力製菓は飴の製造を行っていましたが、他にも和菓子屋さんなどもあり、賑わっていたようですよ。
当時は仲買業者さんに卸すためのキロ単位の売買でしたが、現在は個包装でお客様に直接販売をしています。
販売の方法こそ変わったものの、飴の作り方は当時と変わらない方法で製造しています。

玉力製菓を運営していて、喜びを感じる瞬間はどのような瞬間なのでしょうか?

久保田:やはりお客様に喜んでいただいた時ですね。
「美味しいね」「綺麗な飴だね」とお声がけいただいた時は本当に嬉しいです。
特に子供たちの喜んでいる笑顔を見るとこちらまで笑顔になってきますね。

 新型コロナウイルスの流行前は、シニアの団体のお客様や外国人のお客様が菓子屋横丁にも多くいらしていた印象ですが、現在は若い方が着物を着て歩いておられるのが目につくようになりました。
玉力製菓にいらっしゃるのも最近は若いお客様が多いですね。
川越の良さの一つである都心からのアクセスの良さというのも影響しているのかなと思います。

玉力製菓として、久保田さん個人として、今後進化していきたい、伸ばしていきたいと思っている部分があれば教えてください!

久保田:なかなか難しい質問ですね(笑)。
伸ばすというと少し違うかもしれませんが、私が先輩方から引き継いできた昔からの伝統をこれからも残していきたいと思っています。

玉力製菓がつくる飴は私のような職人の手によって作られるものですので、これ以上製造量を増やすということはできません。
会社としてきちんと仕組みを整えて、店舗を増やしてもっとたくさんの商売をしていくという考えもあるのかもしれませんが、私はそうではなく職人として何ができるかということを考えています。

まずは自分の納得のいく商品を作って、お客様に買っていただく。何かを伸ばしていくというよりも目の前のお客様を喜ばせたいと思って日々仕事に取り組んでいます。
さらにより良いものを作るために自分自身の技術を高めていくだとか、技術をどう次の世代に引き継いでいくかといったことに興味がありますね。

次世代に引き継いでいくということについて少しお話をすると、まずは子供たちに興味を持ってもらいたいと思っています。
今はコンビニやスーパーなどで簡単に飴などのお菓子が手に入ると思いますが、そのお菓子がどうやってできているか知っている子供はほとんどいないでしょう。
野菜などを例にとっても私たちの口に入るまでどういった過程があるのかわかっていないと思います。

おすすめ商品/値段(一部抜粋)※時期によってメニューが変わる場合がございます。

組飴(カーネーション) カーネーションの花をデザインした職人技の逸品。季節(3月~5月)限定の商品です
組飴(ふじ) 繊細な仕上げが要求される”藤”をデザインした季節(4月~5月)限定の商品です
組飴(さくら草・やまぶき) 埼玉の花(さくら草)と川越の花(やまぶき)をデザインした人気商品です
玉物(ハッカ玉・ニッキ飴) ニッキ飴は川越のブランド産品。長年愛された定番商品です
玉物(クロ玉・双玉) 昔ながらのなつかしい菓子屋横丁の味です

ですので、まずは飴に興味を持ってもらう。
その上でもし飴の製造について学びたいという人がいればもちろんお教えします。
私は小さい頃から飴を作る父の背中を見て育ったので、自然とこの道を選びましたが、私の息子には強制するつもりはありません。
もし飴を作りたいと言ってくれたら教えます。
辞めたいと言われたらまたその時に考えます(笑)。

伝統や技術は次の世代に残していかないといけないと思っていますが、なかなか難しいですよね。
昭和30年代頃に近辺のいくつかのお菓子を製造されていた業者さんが経営難からお店を畳んでしまいました。
そうしますとそのお店が受け継いできた伝統や技術は途絶えてしまうわけです。そ
うなってから新しい人が始めようとなっても遅いわけです。
細々とでもいいから続けていくということが重要ですね。

菓子屋横丁としてどのように今後を考えていますか?

久保田:この菓子屋横丁でもそういった伝統をもったお店はどんどんと減ってきてしまっています。

ただ菓子屋横丁やこの周辺地域に集客力自体はあるので、
昔からあるお店が潰れた後は次々と新しいお店が入ってきます。
その中にはこれまでの菓子屋横丁の雰囲気とは異なるようなお店もあって、菓子屋横丁自体の雰囲気も少し変わってきてしまっていると感じています。
その点は少し寂しさを感じますね。

伝統あるお店も畳んでしまう前に私たちに一言相談いただければできることもあるのですが、なかなかそうもいかずこれまでの菓子屋横丁と雰囲気の異なる新しいお店が入ってくる時も決定事項として伝えられてしまっています。

私個人の思いとしてはこの菓子屋横丁にはせめてお菓子屋さんが入ってきて欲しいのですが、あちらも商売ですのであまり言えないですよね。
これは川越に限らず多くの観光地で抱えている問題だと思いますが、街として大切にする雰囲気であったり、コンセプトであったりをなしにどんなお店でも受け入れてしまうと日本中で同じような観光地ばかりになってしまいます。
川越、菓子屋横丁はそうではなく、昔ながらの雰囲気を残していきたいと思っています。

川越の街の魅力、好きなところがあれば教えてください!

 

久保田:私はずっと川越で暮らしているので、改めて川越の良さ・魅力と言われるとなんでしょう(笑)。
私自身川越で暮らしてきて不自由したことがありません。
特に嫌だと思ったこともありません。それは川越の良さなのかもしれませんね。
教育や医療の面から考えても環境が整っていると思います。夏暑いのは嫌ですが(笑)。夏だけは川越から離れてどこかに行きたいと思います(笑)。

 最近の川越は食べ歩きながら写真映えするスポットなどで写真をとってインスタグラムなどにあげる観光スタイルが流行っています。そういったところも川越の魅力ですね。

 これからも川越や菓子屋横丁を盛り上げていけるように頑張りたいと思います。

住所 埼玉県川越市元町2-7-7
電話番号 049-222-1386
アクセス

本川越駅 徒歩15分

本川越駅から1,170m

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