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1783年創業川越の老舗和菓子屋「龜屋」。「家業は世の進歩に順ずべし」川越を代表する和菓子屋亀屋の挑戦

株式会社龜屋は、埼玉県川越市で天明三年(1783)から和菓子を作り続けている老舗和菓子屋です。

 

株式会社龜屋は、天明三年(1783)の創業以来、伝統の芸術品といわれる逸品菓子づくり一筋に230年余りの歳月を積み重ねてきた老舗和菓子屋です。

今回は株式会社龜屋の代表山崎さんにお話を聞いていきます!本日はよろしくお願い致します!

株式会社龜屋(亀屋)のルーツをどのようなものがあるのでしょうか?

山崎:初代は長野県の信州中野で生まれ、そこから10代半ばで川越に上京してきました。当時の川越は、江戸に次ぐ規模で栄えていた町だったそうです。近所に亀屋さんという和菓子屋さんがありまして、そこに何年か修行に入りまして、それで1783年(天明3年)現在の、この場所で始めたのが最初です。

創業238年になるのですが、創業時からお店の場所も姓も変わらないのは結構珍しいんですよね。日本は世界で一番長寿企業が多いと言われていますが、場所も、姓も変わっていないのは貴重だと思います。

株式会社龜屋(亀屋)が、川越で長く続いている秘訣を教えてください。

山崎:そうですね。和菓子屋自体、老舗が多いので、おそらく業態的長く残りやすいのかもしれません。

何百年も前から、日本人の生活の習慣の中で和菓子は必要とされてきました
晴れの日(結婚式や入学式、卒業式、七五三)などの節々で、イベントがあるたびに、「脇役」として和菓子が常にあるというのが文化的なことになっていたので、会社としても残りやすかったのではないのかなと思います。

今も、コロナの状況がなければ、やっぱり日々のイベントごとの中に出てくることが多いと思うんですよね。お葬式であっても、気づかないところで実は出てきますし。
長期休暇で帰省するという時には、やっぱり地元の何かを持って帰ろうとなりますし、そこに地域によって特色が出たりします。また、若い方、例えば川越に一人暮らしをしている大学生でも、帰省する時期になると和菓子をお買い上げ頂いて、地元に持っていっていただけることが結構あります。

龜屋メニュー/お品書き(一部抜粋)※時期によってメニューが変わる場合がございます。

亀の最中 小豆を丹念に炊き上げたほどよい甘さの餡と国産のもち米で最中種を合わせた亀甲型の愛らしく、品の良い一口サイズの最中です。

つぶあん・こしあん
各1個 税込価格 108円

はつかり醤油最中 老舗松本醤油の「はつかり醤油」を、 亀甲の最中種に練り込みました。 小江戸の味を一口で楽しめる贅沢な一品です。

1個 税込価格 119円

亀どら 職人が一枚一枚手焼きした亀をかたどった生地に丁寧に煉り上げたこだわり餡を合わせました。当店自慢のどら焼きです。

つぶあん
こしあん
各1個 税込価格 249円

小江戸時の鐘 江戸初期から町に時を告げ、小江戸の面影を今に伝える川越の時の鐘を想い、口どけのよいミルクあんとさつま芋あんを合わせた焼菓子です。
1個 税込価格 162円
小江戸もんぶらん 香ばしさを生かした焼栗をふんだんに使用した口どけのよいやわらかな生地に蜜の栗を入れしっとりと栗の風味豊かに焼き上げました。
1個 税込価格 270円

そういう、強烈に必要とはされていない、絶対無いといけないわけではないけど、人生の一場面一場面を彩る添え物、脇役で居続けたことが、今の日本において、長く続いている理由ではないのかなと思いますね!

株式会社龜屋(亀屋)が、大切にしていること、こだわりはどのようなものがあるのでしょうか?

山崎:「家業は世の進歩に順ずべし」という家訓を大切にしております。
その言葉通りに、一見変わらない良さもあるとは思うのですけれど、世が進歩したら、それに準じて変わっていきましょうね、という姿勢があります。

川越は「小江戸」なので、当然江戸の文化が川越に残っています。今でいう日本橋、葛飾のような下町文化です。職人さんの中にもプライドとしてあります。
江戸の文化が何かと言ったら武家文化です。派手すぎず、質実剛健。6代目は、和菓子に関して色が濃すぎたり、自己主張しすぎたりしない方を好みました。
私の代では、それを馴染み深いモチーフに変えて、色をもう少しきれいにしたり、透明感を出したりと、色々考えてやっております。伝統と、進歩のバランスを考えながらですね。

その他にも、進歩というと、LGBTQをテーマに、和菓子とお寺をつなげたイベントなども取り組んでいます

株式会社龜屋(亀屋)は、さまざまな活動に積極的に取り組んでいらっしゃいますが、具体的にはどのようなものがございますでしょうか?

山崎:先ほども申し上げた、LGBTQの取組があります。
毎年行われている全国銘菓展という行事がありまして、そこで毎年お題が出るんですよね。
2018年に参加した時のお題が「愛」でして、代表である母が、「愛=男女」という図式自体がもう時代遅れと考えていて、今はそうとは限らないので、レインボーで行こう、と言い始めたのが最初ですね。「愛」を普通に考えると、ピンクや赤でハートマークになると思いますが。

その頃に、たまたま別のイベントで、川越の寺院の最明寺さんがLGBTQをテーマにした和菓子をコラボして出されているのを見まして、これはぜひうちも一緒にやりたい、となって声をかけたという流れでした。

株式会社龜屋(亀屋)は、今後、川越という街でどのような存在でありたいなどございますでしょうか?

山崎:商店街もここ20年でどんどん変わっています。先代がのれん会という、老舗の集まりのようなものを作って、色々な集まりをしていたのですが、昔は、「言わない美徳」のような雰囲気がありました。でも今は、商売上のモラルというか、言うことは言うというように付き合い方が変わってきました。

近年、変容とか進歩が急激に進んでいます。コロナもきっかけになり、人や物の考え方も変わると思います。その中で、我々老舗企業の老舗の和菓子屋が、一見古くさい、新しいことをしないと思われがちですが、老舗企業こそが、進歩にしっかりついていくというより、むしろ率先して周囲の見本として巻き込んでいけるような存在になれたら良いなと考えています。老舗から始められたのであれば、皆ついてきてくれるのではないかなという考え方です。

女性が多い業界なので、小さいお子様がいるお母さん、お子さんがいない女性、ご高齢の方が一緒の場所で働いていて、例えば子供が熱を出したから帰らないといけないとき、いちいち何か言ってたら逆に仕事が回らなくなっちゃうんですよね。その雰囲気はその人のためでもあるし、将来的にそうなる後輩のためでもあるという価値観が共有されています。介護の場合も同じです。色々なタイプの人がいるから面白いですよ。

株式会社龜屋(亀屋)として今後、伸ばしていきたいところについて教えて下さい。

山崎:最近、近所で和菓子作り体験を始めました
なぜ始めたのかというと、川越の和菓子の歴史というのは「龜屋の資産」でもあるし、「川越の資産」でもあるので、それを一般に公開し、皆が楽しんでもらえるようにしないといけないと思ったからです。
提供できるものは売り物だけではなくて、歴史や技術、考え方を広めていきたいと思っています。そこで龜屋らしさを出していきたいと考えています。川越の和菓子屋といったら龜屋さんですよ、と皆に言ってもらえる存在でありたいです。

最後に、川越の魅力や好きなところを教えてください。

山崎:「バランスがすごくよく取れている」と思います。観光地も、古い街並みも、新しい街並みもある。タイムスリップしていけるような、街そのものの変化の歴史が感じられますね。
大きい工業団地もありますし、衣食住も揃っているから住みやすい街ですね。

会社名 株式会社龜屋
本店所在地 埼玉県川越市仲町4-3
アクセス 西武線本川越駅から徒歩15分
バス停「仲町」よりすぐ
ホームページ https://www.koedo-kameya.com/
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