文化

文具のキムラヤは川越で創業93年の文房具専門店。川越とともに変化をしながらお客様の需要に応え続ける

文具のキムラヤは昭和3年にこの地で創業以来、小江戸川越の文化や産業、学業の伸展に貢献している文房具屋さんです。

 

川越のクレアモールにある、文具のキムラヤは昭和3年にこの地で創業以来、文化・産業を支える文具事務用品の提供を通じて地域に貢献しています。

今回は文具のキムラヤを運営している木村さんにお話を聞いていきます!本日はよろしくお願い致します!

文具のキムラヤを川越に立ち上げられた背景にはどのような理由があるのでしょうか?

木村:文具のキムラヤは創業して93年で、川越との繋がりまもなく100年を迎えます。

当店の、創業者は私の祖父です。
創業するまでは、今の川越で言う元町のあたりが問屋街で、大きな商家が並び賑わっていたようで、祖父はそこで商売を覚えていきました。その後、幸町の商家の娘の祖母と結婚し、現在のお店がある新富町で開業し、木村屋商店を興しました。
その時代の本川越駅周辺は物流の拠点としては栄えていたらしく、昭和3年の創業の頃は主に卸売りで商いを始めました。

その後、鉄道の発達とともに、現在の蔵造りの商店街から川越駅の方に人の流れが段々と移ってゆきました。さらに昭和39年に丸広デパートが現在の場所に移転してきたことにより、多くのお店もこちらに移転、または支店を設けたりしました。
そのような流れで当店も小売りの店舗での営業に力を入れていったようです。

商品の内容も時代の変化とともに移り変わり、文房具の他に荒物や家電、日用品なども扱っていましたが、文房具の専門店の色合いが濃くなり、画材や製図用品なども取り扱うように変化してきました。

文具のキムラヤの営業にあたって、大事にしていることはなんですか?

木村:文房具は、主にお客様のご商売、学習、また文化芸術の道具として絵を描いたり、書を書き下ろす為になくてはならないものです。
そのような、大切な物、毎日使う物、心を豊かにする物を当店では扱っているので、しっかりとした商品をお客様に幅広く、できるだけその場で提供することを大切に考えています。産業や文化などのサポート役という責任を感じながら、地域の発展に寄与していきたいと心がけています。

文具のキムラヤは、私の兄で3代目ですが、商売の姿勢や考え方というのは代々受け継がれているのではないでしょうか。
先代の背中を見て学んできたことは大切にしていきたいと思思っています。

心に残っているエピソードを教えてください!

木村:やはり、当店でしか扱っていない商品などを提供することが出来た時、お客様が喜んでくれる姿はいつまでも覚えていますし、嬉しいですね。

また、文房具も当初は書く、切る、挟むなど必要な機能だけが求められるものでしたが、色数が多くなり、そして柄も豊富になり、デザインにも優れたものがあふれてきました。

そのように、付加価値がどんどん文房具に付いて業界や売り場も活性化していきました。
一つの例ですが「なめ猫」というキャラクターが流行り始めた時期がありました。
だいぶ遊びの要素が多くなったキャラクターですが、人々の生活も豊かになり余裕ができ、文房具も機能や使用目的以外で、かわいらしい、傍に置きたいなどの嗜好的要素が強い商品が多くなっていったのが印象的でした。

文具のキムラヤを営業している中でどのような苦労がございますか?

木村:文房具の種類も増えて、その中からお客様に喜んでいただける商品を仕入れることが大変です。また、世の中のスピードが速くなって人気のサイクルも短くなり、人気商品を仕入れる量と時期を決める事も難しくなりました。

仕入れた品も、店内にはおよそ3万点の商品があり、定番的なものは欠品しないように常に目を配っていかなければなりません。POSレジも導入しましたが、やはり店員による目視の売場の棚管理が大事です。商品の売れ行きを追っていくとともに、お客様に適切に商品説明ができるように、商品知識の習得に努めています。
そして、商品への手数、愛情、思いなども注ぎ込まないと不思議と商品は動かいものです。

余談ですが、我々のような多品種を扱う物販店が少なくなったようですが、先だっての消費税が総額表示に切り替わる際など、値札の付け替えが膨大な作業量となりました。
それでも実際の店舗で販売をしていることで、商品がすぐに手に入ったり、確かめたりできるのはお客様にとっても良いことだと思います。今後もお店で物を売るという形態を大事にしていきたいと思います。

今後進化していきたい、伸ばしていきたいと思っている部分があれば教えてください!

木村:今後は、ただ商品を並べているだけでは、ますます売れない時代になっていくと思います。
その中で当店では、サービス面や商品知識の向上を行い、オリジナル商品など他では扱っていない商品を増やしていくことで、キムラヤにご来店をいただける価値あるお店になり続けていかなければならないと心がけています。

ネット(楽天市場店)で商品を販売しているのも、販売方法を広げてお客様がお求めやすくする一つの方法だと思いました。
ネットの特性を活かして主に鉛筆やボールペンの名入れ品を販売しています。
名入れの原稿はネットの方がお客様も注文がしやすく間違いもないので非常に適したやり方だと思っています。

また、店頭では扱いきれない製図用品など購入頻度の少ない商品もネット販売で喜ばれており、当店の長年の専門店としての経験や取引先との関係などの蓄積が役に立っているようです。そして、カルチャー教室も開催しています。絵を描く方々と関係性を深めながら、我々も勉強をさせていただいています。

貸し会議室は、以前から要望が多く事業化しました。川越の街中に公民館が少ないこともあると思いますが、文化的な教室として定期的な利用を、また企業の会議や面接会場として幅広く利用いただいています。

文具のキムラヤでおすすめを教えてください!

木村:今年度になって、小中学校でGIGAスクールが始まりました。
タブレットやノートパソコンを授業で使うようになり、また家に持ち帰り学習するようになってきています。
タブレットケースやタッチペンなど、学習のスタイルの変化に適合できるように力を入れています。お客様のご要望に応じて、品揃えも変化させていきたいと思います。

また、川越の絵柄を入れた筆記具などは他店にはない物なので、当店オリジナル品としておすすめです。
「鬼滅の刃」に代表されるような、流行りの人気キャラの文房具などもお店の前の方で展開し目を引きながら、産業・文化・学習のサポート役として責任を担えるようなお店である、ということがアピールポイントです。

川越の街の魅力、好きなところがあれば教えてください!

木村:観光地でありながら生活感があるところは、とても魅力的だと思います。
人々の生活の息吹が感じられない観光地は作り物のようになってしまいます。
川越は、蔵造りの商店街も商いを続けている現役のお店であり生活の場です。
生活されている方々も、人との付き合いを守り、なにより川越を愛し誇りに思っているので、いろいろな問題に前向きにみんなで取り組むのだと思っています。

好きというか、印象に残るようなスポットは「弁天横丁」という、昔の飲み屋街の通りです。
今、だいぶリノベーションされてきれいになりましたね。実は大昔の話ですが小学2年生の頃、友達の家がその辺りにありバスに乗って行ったのですが、少年の目にはかなりカルチャーショックな場所で。長屋の間の細い通り道、飲食店の丸窓など生活感以上のものを感じて心に焼き付いてしまいました。現在多くの方々のご尽力で、朽ちないで再生されてよかったと思っています。

住所 埼玉県川越市新富町2丁目4−3
文具のキムラヤへのアクセス ・川越駅東口を出てアトレ方面へ。クレアモールに入り、700m先の丸広デパート越えてすぐ右側

・本川越駅前ロータリー入口付近のイトーヨーカドー跡の工事現場と八十二銀行の間の道を通って、突き当たりを右に曲がり、80m先の左側(丸広デパートすぐ手前)

文具のキムラヤのHP http://www.kimura-ya.net/index.html
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