「三番町ギャラリー」は川越駅からのアクセスも抜群!企画展だけではなく広い層の方々に向けて発表の機会を提供できる、開かれたギャラリーを目指されています!建築士が手がけたこだわりの空間でこだわりの作品の数々と出会う体験を。
三番町ギャラリーさんを川越に立ち上げた経緯を教えてください!
草野:私と夫で建築設計事務所を40年以上やっております。
その過程で、私の実家を新しい場所に建て直した後に、元々長い間空き地になっていた場所に三番町ハウスというマンションを建築しました。
その中で、私の父が美術の教師をしていて、長い間書き溜めた絵があったこともあり、それを飾るギャラリーをそのマンションに一部屋作ろうということでこのギャラリーが誕生しました。
明確なコンセプトがあってギャラリーを作ったという訳ではなく、父のために一部屋分確保しておいた、という感じです。
知人の書道の展覧会や、絵画展などもしながら使っていたのですが、建築から一年ほど経った時に、このギャラリーをもっと生かそう!ということで川越の友人たちとNPO法人を1998年に設立しました。
それが「NPO法人アルテクルブ」という団体です。
当時川越市にはまだ美術館がなく、博物館の中に美術館準備室という事務局だけがありました。
そこがメインになって、1997年に川越市内のオープンスペースに色々な彫刻作品を置いて、みんなでそれを見て回って楽しむ「ストリートミュージアム97」というイベントを行いました。そのイベントの時に集まったメンバーでそのNPO法人を立ち上げました。
三番町ギャラリーさんのこだわりや特徴を教えてください!
草野:三番町ギャラリーでは、アルテクルブとしての企画展も行いながら、水彩画教室の発表会や子供向けの水彩画教室、絵手紙教室の展覧会開催などにもお貸ししています。
都内のギャラリーは少し入りにくい、敷居が高い空間なところが多いのですが、ここ三番町ギャラリーは企画展だけではなく広い層の方々に向けて発表の機会を提供できる、開かれたギャラリーを目指しています。
私は本業の建築の仕事では、意匠設計の分野を行っているので、広い言葉で言えばデザインを扱う仕事です。
設計する建物のことだけ考えればいいのではなく、まちづくりと連携させて設計を行います。
街並みの雰囲気を見て、建物自体の高さを決めるなどします。
この三番町ギャラリーがあるマンションは前面道路に向かって少し斜めになっていて、それによって建物の中にいる方と歩道を通る方の目線が合いにくくなり、居心地のいい空間を創出している、という工夫をしています。
三番町ギャラリーさんで働く中で喜びを感じる瞬間ややりがいを教えてください!
草野:ギャラリーを運営しているうえでの喜びというのは少し難しいのですが、やはり作家さんがやって良かったと言ってくれることが一番です。
うちのギャラリーでは多くの方に来ていただき、作家の方がどういった気持ちで作品を作っているのかなどのコミュニケーションをとっていただくことを大切にしています。
そういったことから、NPO法人アルテクルブでは企画展に必ずボランティアの方に来ていただき、ギャラリー当番をしていただいています。
それによって作家の方とコミュニケーションをとっていただくようにしています。作品を通じたつながりによって得られる喜びを大切にしています。
自分が生まれた川越の街に、「設計や」として少しでも何かを残すということを原動力に活動を行っています。
三番町ギャラリーさんで働く中で大変さを感じることや、難しく感じることを教えてください。
草野:ギャラリーの仕事や、設計事務所の仕事では大変に感じることは正直あまりありません。
現場、というと昔は「3K(きつい、汚い、危険)」と言われることもありましたが、今は変わってきています。
私も設計者として現場にもいきますが、そういったことはあまり感じません。
ギャラリーや美術館にはピクチャーレールという、ワイヤーで額縁をつるす為のものがあるのですが、それに背伸びをしてワイヤーをかけるのが少し大変だな、というくらいです。(笑)
三番町ギャラリーさんでの今後の展望や、新たに挑戦していきたいことを教えてください!
草野:今年織物市場を運営する組織が決まる予定なので、それが決まったらまた広場をお借りして、クラフト市を開催したいと考えています。
引き続き、モノづくりの大事な部分であるバックグラウンドにフィーチャーしていきたいです。
また、アルテクルブの企画展ではできる限りワークショップを行っています。
色々な分野の作家さんにお願いしています。
例えば、コースターを糸から作るワークショップを行ったり、エジプトで活動されているエジプト人の陶芸作家さんに陶芸のワークショップを行ったりしています。近隣の美術館にもご協力いただいて行っていて、お子様にも多く来ていただいています。作家さんの展示会に加えて、そういったモノづくりの体験活動やアートの視点から街を見て歩く街歩きなどの活動も、今後はもっと増やしていきたいです。
川越の好きなところや魅力を教えてください!
草野:私は先祖代々川越に住み続けているので、当たり前になってしまっている部分も多いのですが、川越の街並みの中に時間軸を感じられる点が魅力だと思っています。
一番街が明治時代だとすると、大正ロマンが大正時代、新富町が昭和時代、クレアモールや川越駅が平成、川越駅の西口が令和と、きちっとそれぞれに時間軸が感じられる街並みというのは、とても珍しいです。
大体の街は色々な時代のものがごちゃ混ぜになっています。街並みを見ながら日本の歴史を感じることができるというのは、この街の一つの魅力だと思います。
住所 | 〒350-0045 埼玉県川越市南通町14−3 |
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電話番号 | 049-226-7735 |
営業時間 | 10:00〜19:00 |
アクセス |
JR・東武東上線『川越』駅から徒歩5分 |