文化

川越/福原で農業を営む大木農園。伝統的な「落葉堆肥農法」により安心安全な野菜作りを大切に。

大木農園は、川越市福原地区で江戸時代より8代続く路地野菜農家です。

 

 

大木農園は2017年に日本農業遺産に認定された落葉堆肥農法を続け、「安心安全な新鮮野菜を消費者へ」を理念に掲げ生産している農家です。

今回は大木農園の大木洋史さんにお話を聞いていきます!本日はよろしくお願い致します!

川越で農業を営むことになった理由を教えてください。

大木:川越という場所は首都圏から30、40㎞圏内です。それはとても大きいことでした。進学とかする時に1人暮らしをしなくても大丈夫な距離感なんですよね。

1人暮らしをしないってことは、地元から1回も遮断されないということ。
だからこそ、ここら辺の農業というのは跡取りが残りやすい傾向にあります。首都圏から30、40㎞という川越市に生まれたからこそ、こうやって今も残っていると思いますね。

もちろん就職に迷いもありました(笑)やっぱり自分の人生の中で、仕事をする時間って睡眠より多いじゃないですか?だから『どんな仕事に就こうかな』と思って迷いましたね。
でも、親もやっていますし、親が農業の仕事をして大学まで行かせてくれたので『悪くない仕事なのかな』って思って決めましたね。

大木農園さんの野菜作りのこだわりや魅力っていうのを教えてください!

大木:うちは本当に昔ながらの農法で、「落ち葉堆肥農法」っていうことをやっています。江戸時代に川越に農家が入植したのですが、まず畑と家を作るのが普通です。でもうちは、畑と家とその後ろに林も一緒に作りました。
実はあそこの林は人工林です。今はもう自然になっているけど、元々は荒れ果てた場所でした。

うちの地域の土は「関東ローム層」の凄く軽い土になります。
昔から工夫し林の落ち葉を使って発酵させ畑に還すという循環型の農法をもう何百年もずっとずっと続けた結果、今があります。

基本的に堆肥というのは土の中の微生物を増やしたり、野菜を作るのに必要な「窒素・リン酸・カリ」と言われる三大栄養素以外の「微量要素」も多く作り出します。そして落ち葉を入れることによって物理性が良くなります。

うちら農家というのはわがままなもので、「水はけはいいんだけど、水持ちがいい」といった矛盾していることを求めたりしています。
「団粒構造」といわれるものなのですが、そこを目指して土作りをしております。そうすることによって、野菜が病気になりづらく、栄養の吸収も良くなります。
要は人間もそうなのですが、野菜も健康的に育った方が抵抗性が強かったり真っ直ぐ育ったり、色が良かったりします。そこを目指して「野菜作り」をしながら「土作り」もしているといった感じですね。

どのような野菜を育てていますか?またその野菜をどのように販売しているのでしょうか?

大木:うちでは里芋、ほうれん草、ネギ、小松菜、じゃがいもなどを作っています。

販売方法は1番大きい所で農協さん。
その他に産直野菜っていう形で川越のウエスタの施設にあるヤオコーさんに出したり、本川越の地下にある駅ナカスーパーやヨーカドーに出しています。
あとは、「ポケットマルシェ」と「食べチョク」などECサイトを使ったネット販売もしています。

大木さんが、農業をしていて喜びを感じる瞬間はどのような瞬間なのでしょうか?また苦労を感じる時はどんな時ですか?

大木:1つ野菜が収穫出来たとかよりは、野菜を植え付けて出来上がり、うちの家族や従業員さんと全て出荷し終わった時や、その時の目標が達成出来た時が嬉しいですかね。

苦労はいっぱいあります!(笑)天候に左右されたり、イレギュラーなことは山ほど起きますね。

私は経営者としては全然物足りなく力不足なところがあるから、本当にうまくいくことなんて少ないです。
全然成育がうまくいかなかったり、勉強不足だったりすごく苦しい瞬間ばかりです。でも何にもやらなかったら停滞だけでなく後退していってしまうから、『失敗してでも進んでいかなきゃ』っていう気持ちで今は生きています!

川越の農地としての魅力とは、どのような所でしょうか?

大木:農地としての魅力は、圧倒的に首都圏に近いということ。あと、地元に卸しても消費者がそれなりにいること。最後は、この辺はある程度の産地であるいうことですね。

野菜は価格を決める時に大事なのが、ある程度の品質と「ロット数」と言って量が必要です。

すごく美味しいトマトがあったとしても、それが少量しかなかったらそれをブランド化することは出来ません。
ある程度の量「ロット数」が必要で安定供給できることによって、野菜の価格は上がっていきます。

だからこの辺の産地は、ある程度農家の数がありこうやって衰退までしていないからこその値段がつけられているという感じですかね。だから、他の産地よりは高い価格がつけられていますね。

川越の街の魅力や好きなところがあれば教えてください!

大木:神社・仏閣は多いし、歴史ある昔ながらの所ですね。

あと川越の人ってみんな川越が好きですね。川越がテレビや映画で出るとなったら、みんな観ますしね!(笑) 本当に『川越が大好きな人が多い』と思っています。それだけ愛される街だから良いですね。

 

住所 埼玉県川越市下松原205
電話番号 049-242-1724
食べチョク https://www.tabechoku.com/producers/22223
HP https://ookifarm.jimdofree.com/
公式SNS https://twitter.com/farmohki