文化

川越で大正15年から愛され続ける印刷会社、株式会社櫻井印刷所。さまざまな制作物にかける4代目社長櫻井理恵さんの地域貢献への想い。

株式会社櫻井印刷所は川越で大正13年から続く印刷会社です。

 

株式会社櫻井印刷所は、印刷媒体だけではなく電子媒体を含む多種のメディアのご提案、また企画やデザイン、編集などの制作から印刷物として納品するまでのトータルプロデュースを行う新しいカタチの印刷会社です。

今回は株式会社櫻井印刷所の4代目社長の櫻井理恵さんにお話を聞いていきます!本日はよろしくお願い致します!

櫻井印刷所 代表取締役社長櫻井さんが、家業を継がれた背景にはどのような理由がございますか?


櫻井:そうですね。家業を継いだのは、私が4姉妹の長女だったからです。櫻井印刷所は、1924年創業で2024年に100周年を迎えます。そして私は4代目の社長をしております。

大学院を卒業後にそのまま櫻井印刷所に入社いたしました。印刷業界で働くことに関して、迷いはありませんでしたね。その理由は、本が好きで、印刷業とは紙に関わるという点で近しいものがあったからです。また、大学ではドイツ文学を専攻しており、印刷がドイツ発祥というのも理由の一つですかね。

ただ、出版社も魅力的に感じることもありましたが、櫻井印刷所で働くことに迷いはありませんでした。

櫻井印刷所は、印刷のみならず、デザインの提案まで行うトータルプロデュースをされておりますが、その背景にはどのような理由がございますか?


櫻井:印刷物に付加価値をつけるために、チャレンジしてきました。そもそも、紙媒体というのは十数年前から減少傾向にあります。そんな業界の中で、会社が生き残っていくためには付加価値をつける必要がありました。

しかし、付加価値をつけるためには特殊な印刷や大量に印刷ができるといった強みが必要となります。それらを可能にするためには設備投資に数千万から数億円かかってしまい、20数名規模の会社には難しいところがありました。

そこで、私たちは、企画から制作、印刷物の納品までを行える会社を目指しました。父の代から会社にはデザイナーが多く所属していたこともあり、デザインから印刷まで行うトータルプロデュースを始めました。

しかし、最初はなかなか浸透しませんでした。というのも、印刷会社にデザイン料を払うということが当たり前ではありませんでした。「デザインにお金を払う」ということが、制作会社では当たり前ですが、印刷会社ではサービスと捉えられてしまう傾向がありました。

櫻井印刷所が、kawagoe premiumを発行している背景にはどのような理由がございますか?


櫻井:私が入社して数年後に始めたのは、kawagoe premiumの制作でした。その背景には、この冊子を会社案内代わりにしたいという思いがありました。
印刷会社は、お客様の印刷物は印刷しますが、その印刷物は印刷会社のものではありません。チラシなどは依頼されたお店のものであり、名刺はその人のもの。というように、私たちのものが何一つありませんでした。そこで、オリジナルの制作物となるように、1から全て自分で行い作成いたしました。

現在では、kawagoe premiumを軸に、業者ではなくパートナーとして仕事を依頼していただく機会が多くなりました。例えば、この冊子の作成費を参考に予算の中でできるものを依頼していただいております。

kawagoe premiumに関しては、フリーペーパー大賞を受賞しましたし、受託している埼玉県物産観光協会の冊子も、昨年に観光庁長官賞をいただけました。
徐々にですが、デザインや企画が認められてきていて、制作会社としての価値も見出していただけるようになってきています。

櫻井印刷所の、こだわりや特徴はどのようなものがございますか?


櫻井:印刷会社の矜持を忘れず、様々な情報に対して現代ならではのアプローチをしていきたいです。

受け継がれてきた印刷の技術や活字、文字や本のデザインや紙というのは今後も大切に伝えていくとともに、情報を扱う会社として、いろいろなことに挑戦できると考えております。昔は紙だけでしたが、今はいろいろな方法で情報を扱うようになってきている。紙媒体という衰退しているものを金額競争で追いかけても仕方がなく、うちの特色である企画・制作の業務を活かして、1から全てやれるという強みを売りにしていきたい。

櫻井印刷所が、「kawagoe premium」のみならず、「コエドノコト」「山車付箋」「川越城下かさね地図」といった川越に関する制作物を展開している背景には、どのような理由がございますか?


櫻井:kawagoe premiumをはじめとする制作物を通して、川越を知ってもらえる機会を作っていくことが、弊社ができる地域貢献につながると思っているからです。
kawagoe premiumに関して、最初は会社案内として仕事を獲得するために作成しましたが、フリーペーパー賞を受賞したことで全国に川越を知ってもらえました。
自社のことを一番頑張ることが、地域貢献につながるという想いで制作しています。
あとは、シンプルに本作りが楽しいからですね笑

櫻井印刷所を運営していて、喜びを感じる瞬間はどのような瞬間でしょうか?


櫻井:やはり、一番はお客様の声ですね。出来上がりに満足していただけた、制作物によって効果があったという声を聞くときが一番嬉しいです。
また、自社で作った制作物に関して、感動しました!といった声も本当に嬉しいです。

最後に川越の街の魅力や好きなところがあれば教えてください。

櫻井:答えるのが難しい質問ですね笑 あまりにも川越にいることが自然すぎて、、
ひとつ挙げるとしたら、昔から続いているものがはっきりと見えるところだと思います。川越には創業100年以上の会社がたくさんありますし、その街並みが残っているという魅力ですね。

社名 株式会社櫻井印刷所
代表者氏名 櫻井理恵
所在地 埼玉県川越市元町2-4-5
HP https://sakurai-p.co.jp/
SNS Facebook:https://www.facebook.com/sakuraiprinting/

Twitter:https://twitter.com/sakuraiinsatsu