文化

アトリエつむぎは川越に事務所を構える「きおくあつめブック」制作所。自身の実体験から起業したアトリエつむぎ田島さんが依頼人の記憶をたどり、人生をつむぐ

自分史アルバム「きおくあつめブック」の作成を行っているデザイン事務所!

 

きおくあつめブックは伝えたい・残したい・忘れたくない、人生の記憶を懐かしい写真や家系図などと一緒に1冊にまとめるサービス!お客様の人生について、じっくり話を聞きながら取材をし、目で見て楽しい1冊を作成します!

今回はアトリエつむぎ田島さんにお話を聞いていきます!本日はよろしくお願い致します!

アトリエつむぎ田島さんが川越で事業を始められた経緯について教えてください。

アトリエつむぎ川越

田島:前職の勤務地が都内だったため通勤時間も長く、帰宅は早くても21時という生活が続いていました。
前職では本当にさまざまなことに挑戦させていただいていたのですが、母親として、家族の一員として私の目指す姿ではありませんでした。

自分が得意とする、人の話を聞くこと、文章を書くこと、デザインをすること、そのすべてを活かせて、一生飽きずに続けられる仕事はなんだろうと考え「きおくあつめブック」を思いつきました。
大切な人の人生を未来へ「つむぐ」デザイン事務所「アトリエつむぎ」として事業を開始
しました。

アトリエつむぎが現在の事業内容になった経緯を教えてください。

アトリエつむぎ川越

田島:もともとは結婚式のプロフィールブックなどを趣味で何件か作ったことがありました。
その中で、20~30年分の幸せな人生をまとめることもとても楽しかったのですが、先を生きる人生の大先輩方であれば、長い人生の中での紆余曲折や様々な経験を聞かせていただくことができ、自分自身の学びにもなるのではないかと考えました。

アトリエつむぎ川越
その中でも、7年前に亡くなった祖父の影響はとても大きいですね。
私自身もおじいちゃん子ではあったのですが、自分が生まれてから、つまりおじいちゃんになってからの祖父のことしか私は知りませんでした。
そこで父に相談すると祖父の家にしまってあった写真をたくさん出してきてくれました。
その写真をみんなで一緒に見ることで祖父の知らなかった一面も見えましたし、両親や祖父の兄弟に話を聞くきっかけにもなりました。
これは私にとって新鮮で、家族みんなでとても楽しい時間が過ごせました。

集まった家族の記憶を元に祖父の「きおくあつめブック」を作成してみると、作成の工程はとても楽しく、何となく顔は分かるけど関係性がわからない親族や、祖父母の人生について詳しく知ることができました。

アトリエつむぎ川越

葬儀や法事などは、本来故人を弔う会のはずなのに、その方のお話をあまりしないということもあります。

私はそのことを少し寂しいなと思っていて、「きおくあつめブック」を作ることで、故人の人生を知りより深く偲んでもらえたり、みんなでその方のお話をするきっかけになったらいいな
と考えています。
実際に私も祖父の七回忌に「きおくあつめブック」を持っていったところ、子供や孫なども含めて親族みんなで祖父の思い出話をすることができました。

アトリエつむぎ川越祖父は亡くなってしまったけれど、誰かの記憶の中では生き続けることができるんじゃないか、そんな想いが現在の仕事に繋がっていますね。

そして、まだご存命の方であれば、作る工程も一緒に楽しむことができ、より詳しく伝えたい思いなども聴くことができるので、生前にお作りいただくのを理想としています。

アトリエつむぎ田島さんが働かれていて大変だと感じる場面はありますか。

アトリエつむぎ川越

田島:「きおくあつめブック」の性質上デザインなど細部を突き詰めるとお金も時間もきりがないところですね。
何度もその方のお話を聞きながら文章を作っていく、自分の中に落とし込んでいくという作業を現在一人でやっています。そこが大変ですね。

受注できる件数も多くはないですし、よくある「自分史」のように、高価で一般の方には手が届きにくくなるような価格にもしたくないので、そこの塩梅が難しいかなと思っています。

アトリエつむぎ田島さんが今後伸ばしていきたいところについて教えてください。

田島:現在はペット目線で語るペット版アルバム「わんだふるブック&にゃんだふるブック」の作成も始めています。
ことばを話せないからこそ、思い出をどのような角度で見ていたかなどの解釈の部分で楽しめるものがあるのではないでしょうか。そういったことも考えながら進めています。

また、川越まちゼミなどでこども向けに、自分の親に聞いてみたいことを取材して記事にまとめてもらうというワークショップを行っています。

アトリエつむぎ川越

私自身、祖父が亡くなって、祖父の遺品整理から始めましたが、もっと祖父と話をしておけばよかったと後悔しています。
家族や大切な人ともっと話をして、もっとその人のことを知って欲しい、そんな想いでこの仕事をしています。
いずれは離れてしまう家族だからこそ、その人が記憶の中で生き続けられるように、「きおくあつめブック」をこれからも作り続けていきたいですね。

住所 埼玉県川越市的場
電話番号 070-8499-1955
営業時間 営業時間: 月〜金 9:30〜17:30
定休日:  土日祝 ※取材の場合は対応可
公式HP https://www.atelier-tsumugi.com/