明治3年から、店主の想いを受け継いで営業。狭山茶の主産地から厳選して仕入れ、オリジナルブレンド茶だけでなくコラボ商品も展開。日本茶インストラクターの資格や福祉の経験を生かし、「川越に恩返しを」という松本さんの想いに迫ります!
松津園(まつづえん)が川越に立ち上げられた経緯について教えてください!
松本:91歳店主の祖父にあたる松津吉國が明治初期に喜多院の近くで仕出し屋を始めたのが松津園のはじまりです。
最初は、お茶屋ではなくお弁当屋だったんです。
そこから時代の流れとともに営業形態も移り変わり、店主の幼少期(昭和初期)には夏は製糸業、冬はお茶の小売りをしていたそうです。
戦後から製糸業が国の独占市場となり、以降はお茶を中心とした小売りを。
当時は、現在のようなパッケージはなく、茶葉やコーヒー豆、海苔を量り売りしていました。
松津園(まつづえん)のお店としてのこだわりや特徴を教えてください!
松本:昨年より、孫の私が91歳店主の想いを受け継いで営業しております。
3歳の息子もお茶が大好きで、マイ急須を所持し“看板ひ孫”として手伝ってくれます。
お子さん連れのお母さんやお父さんがお茶を買い来ると子育て談義が始まったり、常連さんが店主を訪ねお茶を飲みにきてくださったりと、単なるお茶屋ではなく地域の方々の居場所の一つになっているのかなと思います。
販売している茶葉は川越市 小野文製茶さん、狭山市 宮野園さん、小澤製茶さん、入間市 千歳園さんなど、狭山茶の主産地から厳選して仕入れています。
お客様のご要望に応じて、ブレンドして販売もしております。
リピーターの多い「河越路(かわごえじ)」は、半世紀以上前から続くオリジナルブレンド茶です。香り高く甘みがあり、コーヒー愛飲家の方にもおすすめしています。
店舗お隣のPIZZERIA ROCCOさんでは、ピッツァに合うスッキリしたブレンド緑茶「ピッ茶」を提供していただいてます。
トマトやチーズとの相性ばっちりです。
伊勢屋さんとのコラボ商品「玄米ほうじ茶饅頭」「玄米ほうじ茶どら焼き」「お茶かき餅」も大好評です。
他、季節や行事に応じた商品も展開しております。
節分では、ハンドメイド作家さんとコラボして、子ども用の小鬼ニット帽と福茶をセットで販売しました。
お茶の魅力に気づくきっかけになれば、入り口はたくさんあってよいのかなと思っています。
松津園(まつづえん)がお店として今後伸ばしていきたい部分について教えてください!
松本:日本茶インストラクターの資格を取得し、活動の幅を広げ学び、お茶淹れ教室実施など、お客様のお茶ライフがさらに充実するようなサポートをしていきたいです。
また、お茶を淹れるということは表現としての魅力もあるので、この人が淹れるお茶を飲みたいと思っていただけるような淹れ手になるべく成長していきたいですね。
昨年からはじめたティースタンドもまだまだこれからです。
お茶の生産地や生産者さんの情報、お茶の製造方法や特徴、おいしい淹れ方などがより具体的に伝わるパッケージにしたいと試行錯誤しております。
実際、パッケージや売り手が変わると、ずっと飲み続けてきたお客さまにとってはお茶の味が変わってしまうんです。
それでも、生産者さんと消費者のみなさんの間の売り手としての立ち位置を松津園として明確にすることが今年の目標です。
お客様の中には高齢の方が増えてきましたので、高齢者の方々の見守り支援も兼ねてお茶を配達させていただいています。
以前、福祉の仕事をしていたこともあり、福祉をお茶で支えられないかな。子どもたちにも還元していきたいです。
松津園の孫として育った私は、祖母や亡き祖父、そしてこの街に恩返ししていきたいと思っています。
松津園(まつづえん)さんの思う川越の魅力や好きな所があれば教えてください!
松本:温故知新、古いものを大事にして新しいものへと展開している街っていいですよね。あとは“健康的な街”だなと感じます。それぞれの街のリズムってあるじゃないですか。
松津園のある川越昭和の街は夜はしっかり眠るし、日が昇ると人が活動しはじめる。実際に生活していて、人間関係も含めて自分自身が健康でいられる。私は川越が好きです。
住所 | 埼玉県川越市連雀町10-3 |
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電話番号 | 049(222)1364 |
営業時間 | 月木金土日10-17時
(定休日は火・水曜日) |
アクセス |
西武新宿線本川越駅 徒歩6分 |
公式instagram | https://www.instagram.com/matsuzuen/ |